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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ケラの音声コミュニケーションにおける巣穴の機能の解明

Research Project

Project/Area Number 22770016
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

遠藤 千尋  新潟大学, 研究推進機構超域学術院, 教育研究高度化研究員 (20569024)

Keywords認知行動 / 生物音響 / 構造物 / 生態学 / 昆虫
Research Abstract

動物のつくる構造物が、変動する環境や状況の下でその機能を十分に発揮するためには、構造と機能ゐ間にフィードバックによる調節機構が働いているはずである。ケラの音声コミュニケーションに使われる巣穴(鳴き穴)の構造には、鳴き音を増幅させる効果があるとされる。この巣穴構造と音響増幅機能の間に、フィードバックによる調節機構がどのように働いているのかということを、情報の認知と行動の関連性から明らかにすることは、構造物の機能の進化を考える上で非常に重要なアプローチである。本年度は、主に新潟(佐渡)の個体群から採集した個体を飼育し、実験を開始した。季節を通じて採集を行った結果、新潟の個体群においても、兵庫と同様に季節的な翅型二型が存在することがわかった。このことは、翅型二型の地理的変異の生じる要因を考える上でも、重要な意義をもつ。飼育下で鳴き始めるのを待ち、個別に録音していくため寸現在はデータを蓄積している段階である。今後、次の繁殖期にさらにデータをそろえ、解析を行う予定である。また、小型カメラ(ファイバースコープ)によって、巣穴内での様子を撮影し、巣穴内でどのように鳴き、音響を調節しているのかという行動を視覚的にとらえる準備が整った。ケラでこのような試みはされたことがなく、貴重な情報が得られると期待している。録音実験に映像情報を付加することは、研究成果を発表する際に、よりわかりやすく伝えるために有効である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ケラの音声は、繁殖期にしか録音できないが、まだ1シーズンしか経過していないことと、野外で採集してきた個体の飼育条件をそろえ、鳴き始めて、録音を開始するまでにも、試行錯誤の時間を要するという理由により、データの蓄積に時間を必要とするため。

Strategy for Future Research Activity

これまでは、別の野外調査業務とのかねあいで、まとまった時間が得にくい状況であった。今後は、繁殖期早期に飼育実験を開始し、実験に専念できるよう、ある程度まとまった時間を確保する予定である。またこれまで採集・飼育においては補助をお願いしていたが、録音実験においても、作業手順を統一し、実験補助を少なくとも部分的にお願いできるようにし、効率化を図る予定である。また、音響解析の専門家との議論を重ね、解析結果をまとめることに力を注ぐ。

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Published: 2013-06-26  

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