2012 Fiscal Year Annual Research Report
葉のサイズと葉脈の機能的統合を実現する生理学的メカニズムの解明
Project/Area Number |
22770032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
種子田 春彦 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90403112)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 植物ホルモン / 葉の発生 / 葉脈 / 水輸送 / パイプモデル |
Research Abstract |
陸上植物は乾燥した空気に囲まれて生活しているため、常に体内の水が蒸発散によって失われている。特に葉は表面積が大きいので、葉における水収支の安定は生存や光合成生産にとって重要な問題になる。これに対して、葉脈が葉脈内にある維管束内の道管で水を輸送することにより、葉身の隅々にまで水を供給して葉での水収支を支えている。葉脈による水輸送能力は維管束内の道管の数、直径によって決まるので、効率的な水輸送系を実現するためには蒸発散を行う葉面積に合わせた道管の数や直径の調節が必須である。申請者は、植物ホルモンであるオーキシンを介して葉身と葉脈がその発生過程において相互作用することによって、効率的な水輸送系を構築しているという仮説を立てて研究を行っている。 本年度は、タバコ(Nicotiana tabaccum L. ‘Petit Havana’)葉内の主脈と側脈に注目した。そして、維管束内の道管の数と直径が流域葉面積に合わせて作られることを明らかにするために、葉内での分布とその発生の仕方を測定した。道管数、道管直径は、その葉脈が水を輸送する部分の面積(以下、流域面積と呼ぶ)と正の関係となり、べき関数によってよく回帰することができた。葉脈維管束での合計道管断面積と流域面積とは非常によい比例関係を持っていた。さらに、主脈と側脈について葉内の異なる4カ所で、流域葉面積と道管の発生過程を測定した。その結果、流域葉面積、道管数と道管直径では葉内での値の差はいずれも変化速度によって生じていることがわかった。また、葉の発生の初期に葉身を切除した葉が成熟したときの流域葉面積と道管数、道管直径の関係は、主脈における葉面積と道管数の関係以外は、無処理の葉と同様の関係になっていることが明らかになった。 以上の結果から、道管数と道管直径は流域葉面積に合わせて作られていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)