2011 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾン・タギング法を用いたドーパ合成酵素遺伝子の探索
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22770033
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 伸大 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80422088)
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Keywords | 代謝生理 / 植物色素 / ベタレイン |
Research Abstract |
昨年度までにオシロイバナからDOD遺伝子のopen reading frame領域を増幅するように設計したプライマーを用いてゲノムPCRにより増幅したDNA塩基配列解析を行ったところ、cDNAのfirst ATGから602 603 bp間に603bpのイントロン配列が確認されていたがそれより上流についてはイントロンの確認ができていなかった。そこで、プライマー配列とPCR条件を検討したところ、上流210-211 bpの間に3,974 bpの挿入配列が確認された。しかし、その配列内にはトランスポゾン様の配列は確認されなかった。また、その挿入配列の上流210 bpの配列はこれまでに獲得していたcDNAの対応する配列と11 bpの塩基置換が存在することが明らかとなった。そこで、これら2種類のDOD遺伝子を区別できるように設計したプライマーを用いて、ゲノムPCRとRT-PCRを行った。その結果、これまでに獲得していたDOD(DOD Aとする)はオシロイバナ花弁でのmRNAの蓄積が認められたのに対し、ゲノムPCRによって新たに獲得されたDOD(DOD Bとする)のmRNAは確認されなかった。ゲノムをテンプレートとしたPCRの結果、DOD Aでは約9 kbpの増幅産物が確認されたのに対し、DOD Bでは約4 kbpの増幅産物が確認された。このことからオシロイバナにはDOD遺伝子が2コピー存在し、そのうち片方(DOD A)のゲノムからのみ転写されている可能性が示唆された。また、チロシンハイドロキシラーゼ遺伝子を単離するためのもう一つのアプローチとしてオシロイバナの赤花弁と黄色花弁においてそれぞれの花の発達段階の初期と後期のものをサンプルとしてcDNAサブトラクション法を行った。2,688のサブトラクト済みクローンについてcDNA塩基配列を解析したところ、ヒドロキシラーゼ活性を有する酵素として報告されているファミリーに属するcDNA断片が3種類存在していることが確認された。また、それらについてRT-PCR法によって、花弁の発達段階におけるmRNAの蓄積を確認したところ、いずれにおいても発達段階後期において蓄積量が増大していることが判明した。
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