2012 Fiscal Year Annual Research Report
ラン藻の窒素輸送体の活性化を制御する細胞内ネットワークの分子生物学的研究
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22770034
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 真一 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (70335016)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ラン藻 / 輸送体 / 活性制御 |
Research Abstract |
海洋性ラン藻の亜硝酸イオン輸送体FocAには、そのC末端に自身の活性を抑制する領域を持つものと持たないものが存在することを明らかにしてきた。そこで海洋性ラン藻の亜硝酸イオン輸送活性を生理学的に解析するため、全ゲノム配列が決定されている様々な海洋性ラン藻を入手し、培養系を確立することを試みた。その結果、C末端に活性抑制領域が存在するFocAを持つSynechococcus sp. RS9916を人工海水で培養することに成功した。Synechococcus sp. RS9916を様々な窒素栄養状態で生育させ亜硝酸イオン輸送活性を測定したところ、輸送特性の異なる少なくとも3種類の亜硝酸イオン輸送活性を示すことが明らかとなった。Synechococcus sp. RS9916には、亜硝酸イオン輸送活性を持つと推測されるfocA遺伝子およびnrtP遺伝子が存在するが、これら以外にまだ未知の亜硝酸イオン輸送体をコードする遺伝子が存在することが明らかとなった。また、Synechococcus sp. RS9916の示す亜硝酸イオン輸送活性のうちの1つは、培地中にアンモニアを添加すると活性が可逆的に阻害されることが明らかになった。亜硝酸イオンよりも効率的に同化できるアンモニアが存在する時にアンモニアの同化を優先するためにするために、FocA輸送体のC末端活性抑制領域は、自身の活性を抑制していることが示唆された。 また、2つの亜硝酸イオン輸送体を欠損した淡水性ラン藻Synechococcus elongatusの変異株(ΔnrtABCDΔcynABD)とSynechococcus elongatusで使える発現シャトルベクターを用いて、Synechococcus sp. RS9916の新規亜硝酸イオン輸送体遺伝子をクローニングすることを試みたが、未だ新規遺伝子の同定には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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