2010 Fiscal Year Annual Research Report
フィトクロムによる植物成長相転換制御の基本メカニズム
Project/Area Number |
22770035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石崎 公庸 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (00452293)
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Keywords | 生殖 / 成長相転換 / 環境応答 / 陸上植物 / ゼニゴケ / フィトクロム / 分裂組織 / 光シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究は、陸上植物における、光情報による成長相調節の基本プログラムの解明を目的とし、現存する種の中で、陸上植物の祖先に極めて近いと考えられる"苔類ゼニゴケ"をモデルとし研究を行った。近年、我々の研究室において、赤色光/遠赤色光の受容体であるフィトクロムが、ゼニゴケの生殖成長相移行に関与する鍵因子であることが示唆されていた。フィトクロム遺伝子と成長相転換制御変異株bonoboの解析を中心に、フィトクロムを介した成長相転換制御経路の分子メカニズムを解明する。 平成22年度では、まずゼニゴケのフィトクロム遺伝子の機能メカニズムに焦点を当てた。これまでの研究から、ゼニゴケのフィトクロムが主として核で機能し、細胞分裂の間接的/直接的制御を行うことで、ゼニゴケの生長相転換を制御することが示唆されていた。Mpphy-citrine発現株を用いた解析により、Mpphyが光質非依存的に核に局在することが観察され、基部陸上植物におけるフィトクロムのユニークな性質が見出された。一方で、赤色光照射条件下では、Mpphyが核において顆粒状構造体を形成することを見出した。今後、核内における顆粒状構造体とフィトクロム機能メカニズムの関係については、さらに解析が必要である。 さらに成長相転換制御変異体bonoboについては、連鎖解析を進めている。また国立遺伝学研究所の協力により、連鎖解析に用いるKit2株のゲノム配列解析も進めている。米国エネルギー省JGIにおいて、ゼニゴケ野生株Tak1と連鎖解析参照株Kit2のF1世代50株のゲノム解析を行い、高密度マーカーの作出と連鎖解析を同時に進める道筋をつけた、bonobo株の戻し交配も進めることにより、次世代シークエンサーによるbonobo変異原因遺伝子の単離にむけた準備を進めている。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Identification of the 2-hydroxyglutarate and isovaleryl-CoA dehydrogenases as alternative electron donors linking lysine catabolism to the electron transport chain of Arabidopsis mitochondria.2010
Author(s)
Araujo W.L., Ishizaki K., Nunes-Nesi A., Larson T.R., Tohge T., Krahnert I., Witt S., Obata T., Schauer N., Graham I.A., Leaver C.J., Fernie A.R., These authors contributed equally to this work.
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Journal Title
The Plant Cell
Volume: 22
Pages: 1549-1563
Peer Reviewed
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