2011 Fiscal Year Annual Research Report
フィトクロムによる植物成長相転換制御の基本メカニズム
Project/Area Number |
22770035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石崎 公庸 京都大学, 生命科学研究所, 助教 (00452293)
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Keywords | 成長相転換 / 環境応答 / 陸上植物 / コケ植物 / フィトクロム / 光シグナル伝達 / メリステム / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究は、植物の光情報による成長相調節の基本プログラムと進化の理解することを目的とし、現存する種の中で、陸上植物の祖先に極めて近いと考えられる"苔類ゼニゴケ"をモデルとし研究を行った。これまでに、赤色光/遠赤色光の受容体であるフィトクロムが、ゼニゴケの生殖成長相移行に関与する鍵因子であることが示唆されていた。フィトクロム遺伝子と成長相転換制御変異株bonoboの解析を中心に、フィトクロムを介した成長相転換制御経路の分子メカニズムを解明する。 平成23年度では、特にゼニゴケのフィトクロム遺伝子の機能メカニズムに焦点を当てた。ゼニゴケフィトクロムを特異的に認識する抗体を作成し、ゼニゴケのフィトクロムが光に安定なII型の性質を持つことを示した。さらにMpphy-citrine発現株を用いた解析により、赤色光照射により核に移行することを確認した。被子植物ではフィトクロムが核で機能し、転写制御を介して様々な光応答を制御することが知られているが、シダおよびコケ植物ではこれまでフィトクロムが主として細胞質で機能すると考えられてきた。核における転写制御を介したフィトクロム機能メカニズムが基部陸上植物でも確認されたことで、フィトクロムを介した光応答の基本的なメカニズムが、植物の陸上化時点まで遡れる可能性を示した。さらにフィトクロムの核における転写制御において中心的な役割を持つと考えられるPHYTOCHROME INTERCTING FACTOR (PIF)のゼニゴケ相同遺伝子を単離し、フィトクロム下流で働くことを示唆する結果を得た。今後、フィトクロムによるPIFの制御について、更なる解析を進めたい。 成長相転換制御変異体bonoboについては、連鎖解析を進めている。米国エネルギー省JGIにおいて、ゼニゴケ野生株Tak1と連鎖解析参照株Kit2のF1世代150株のゲノム解析を行い、高密度マーカーの作出と連鎖解析を同時に進める道筋をつけた。bonobo株の戻し交配も進め、次世代シークエンサーによるbonobo変異原因遺伝子の単離にむけた準備を進めている。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Analysis of a range of catabolic mutants provides evidence that phytanoyl-CoA does not act as a substrate of the ETF/ETFQO complex in Arabidopsis thaliana during dark induced senescence2011
Author(s)
Araujo WL, Ishizaki K, Nunes-Nesi A, Tohge T, Larson TR, Krahnert I, Balbo I, Witt S, Dormann P, Graham IA, Leaver CJ, and Fernie AR
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Journal Title
Plant Physiol
Volume: 157
Pages: 55-59
DOI
Peer Reviewed
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