2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770040
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
奥島 葉子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (00432592)
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Keywords | シロイヌナズナ / 細胞分裂 / サイクリン依存性キナーゼ |
Research Abstract |
植物の地下部を構成する根系の形成は土壌中の栄養源の分布や生育温度の変化など、環境によって大きく影響を受ける。根の成長は主に根端分裂組織における細胞増殖の制御に依存している。シロイヌナズナの細胞周期を制御する中心的な因子として、A型およびB型のサイクリン依存性キナーゼ(CDKAおよびCDKB)が知られている。昨年度までに、環境ストレス条件下ではCDKAやCDKB1の発現レベルはほとんど変化しないが、CDKB2についてはタンパク質レベルの分解制御を受けていることを示唆する結果を得た。今年度はCDKB2のタンパク質レベルの安定性を分解アッセイによって調べた。根の粗抽出液を大腸菌で発現させたGST-CDKB2タンパク質と共にインキュベートしたところ、早期に分解されることがわかった。この分解はMG132処理により阻害され、またGSTタンパク質そのものは分解されないことから、CDKB2はプロテアソーム依存的な分解制御を受け、またそれを促進する何らかの因子が根に存在することが示唆された。また、これまでに根端分裂組織においては、オーキシンシグナルの抑制によりCDKB2タンパク質がタンパク質レベルでの分解制御を受けることを示唆する結果を得ている。そこで、オーキシンシグナルの下流で働くPLTがCDKB2の発現制御に関わっているかどうか検討した。その結果、PLT2の異所的な発現に応じてCDKB2の発現領域が顕著に拡大することがわかった。以上の結果より、CDKB2の蓄積量の調節には、オーキシン-PLT経路を介した転写レベルの発現制御とタンパク質レベルの分解制御が関わることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の遂行がほぼ予定通り進んだ。また、これまでの成果をまとめた論文も投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
CDKB2のオーキシンに応答したタンパク質レベルの分解制御についてさらに詳細な解析を行う。
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[Journal Article] Programmed induction of endoreduplication by DNA double-strand breaks in Arabidopsis2011
Author(s)
Adachi, S., Minamisawa, K., Okushima, Y., Inagaki, S., Yoshiyama, K., Kondou, Y., Kaminuma, E., Kawashima, M., Toyoda, T., Matsui, M., Kurihara, D., Matsunaga, S., Umeda, M
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 108
Pages: 10004-10009
Peer Reviewed
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