2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770043
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本瀬 宏康 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70342863)
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Keywords | キナーゼ / 細胞伸長 / 維管束分化 / 植物細胞 / GPIアンカー / xylogen / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
生物の発生過程では、細胞が方向性を持って成長と分化を行うことが不可欠である。植物細胞は細胞壁という外殻を持ち、運動性を失っているため、動物細胞とは異なる独自の機構を発達させていると考えられるが、植物の細胞極性制御については不明な点が多い。本研究では、植物細胞の極性形成機構を明らかにするため、細胞の分裂・伸長を制御するNIMA関連キナーゼ(NEK)の解析、維管束分化の方向を制御するxylogenの研究を行った。 まず、シロイヌナズナのNEKファミリー(NEK1-NEK7)の内で中心的な役割を果たすNEK6の基質を探索し、NEK6がチューブリンをリン酸化することを見出した。NEK6の変異体における微小管のライブセルイメージングと阻害剤実験により、NEK6は微小管の過剰な安定化を抑制し、細胞の伸長方向を制御することを明らかにした。また、NEK6はNEK4,NEK5と相互作用して働くことも見出した。チューブリン以外にも、NEK6の基質や、NEK6と相互作用するタンパク質を多数同定し解析を進めている。更に、NEKファミリーの発現パターンを明らかにし、変異体を用いて細胞伸長における機能重複を示した。 Xylogenファミリーについては発現パターンと細胞内局在を解析し、維管束以外でも機能していることを見つけた。GPIアンカー生合成変異体の詳細な解析から細胞壁形成への関与を見出している。これらの知見を基に、植物細胞の極性制御のモデルを考案し、学会発表や論文としてまとめた。
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Research Products
(5 results)