2012 Fiscal Year Annual Research Report
いもち病圃場抵抗性遺伝子Pb1の抵抗性発現機構の解析
Project/Area Number |
22770048
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
井上 晴彦 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (10435612)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | いもち病 / 抵抗性遺伝子 / 転写因子 / 圃場抵抗性 / プロテアソーム分解 |
Research Abstract |
いもち病はイネに大きな被害を与える病害ですが、特に穂で発生する穂いもち病は、米の収量や品質の低下等を直接招きます。穂いもち病抵抗性遺伝子Pb1 (Panicle Blast1 )は、すでに育種利用されている抵抗性遺伝子であり、真性抵抗性に関わるRタンパク質と類似のタンパク質構造(CC-NB-LRR)を有しています。しかしながら、Pb1による抵抗性は、真性抵抗性とは異なり安定で菌系特異性も認められません。このような抵抗性の特性を決定する要因を分子レベルで明らかにし、真性抵抗性との違いを明らかにすることは、Pb1遺伝子の育種利用や遺伝子組換えによる利用において非常に重要であります。 本研究では、Pb1タンパク質が、いもち病に対してイネの免疫に重要な役割を果たす転写因子WRKY45にシグナルを伝達することで、穂いもち抵抗性が高まることを証明しました。WRKY45へのタンパク質間相互作用の弱いPb1を、人工的に作成してその機能を調べると、Pb1の抵抗性は喪失していました。このことから、Pb1とWRKY45が直接相互作用することが重要であることを明らかにしました。また、通常WRKY45はユビキチン/プレテアソーム分解により、不必要な活性化が行われないように制御されています。Pb1タンパク質はWRKY45タンパク質と直接相互作用することにより、WRKY45を蓄積させ免疫シグナルを亢進することによって、いもち病への抵抗性を付与していることが明らかになりました。 この成果は、米国科学雑誌「米国科学アカデミー紀要のオンライン版」に公開される予定です。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|