2012 Fiscal Year Annual Research Report
全身獲得抵抗性の安定化に関わるカルモジュリンの解析
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22770052
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
安田 美智子 独立行政法人理化学研究所, 植物微生物共生機能研究チーム, 研究員 (30425649)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / カルモジュリン / 全身獲得抵抗性 / アブシジン酸 / 病害抵抗性 / PR遺伝子 / クロストーク |
Research Abstract |
植物の全身獲得抵抗性(systemic acquired resistance, SAR)は植物独自の病原体に対する自己防御機構である。申請者はSAR誘導がアブシジン酸を介する環境ストレス応答により抑制されることを明らかにした。本研究では、SAR誘導と環境ストレス応答のクロストークに機能する因子を見出すことを目的として、マイクロアレイ解析の結果から、細胞内カルシウムシグナル伝達に機能するカルモジュリン(CaM)およびCaM様タンパク質(CML)のうち、SAR誘導性で、かつ、アブシジン酸シグナル感受性のCaM/CMLを見出した。本年度はカリフラワーモザイクウイルス35SプロモーターでCaM遺伝子を過剰発現させた植物について、病害抵抗性、遺伝子発現等を比較し、CaMが過剰発現したことによる病害抵抗性に及ぼす影響を解析した。CAM遺伝子の発現レベルが約10倍から120倍異なるT2のCAM遺伝子過剰発現株(CAMox)を3ライン用いて、病原菌接種試験による病害抵抗性、抵抗性関連遺伝子の発現、病害抵抗性に関連する植物ホルモン量を測定した。発現レベルが約10倍のCAMoxでは、抵抗性関連遺伝子の発現、植物ホルモン量に変化は認められなかったが、葉での病原菌増殖が抑制されたことから、病害抵抗性の増強効果が認められた。発現レベルが120倍のCAMoxでは、病害抵抗性の増強、抵抗性関連遺伝子の発現、およびサリチル酸の蓄積量の増加が顕著に認められた。これらの結果から、CAMがSAR誘導経路の上流に機能している可能性が示唆された。また、本年度はY2H法によりCaM相互作用因子の探索を試みたが、現段階で相互作用因子は得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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