2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規オルタナティブ・オートファジーの機能部位の解析
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22770054
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
荒川 聡子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (90415159)
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Keywords | オルタナティブ・オートファジー / オートファジー / ミトコンドリア / 赤血球 / 血球分化 / 電子顕微鏡 / 微細構造 |
Research Abstract |
動物組織において、我々はAtg5やAtg7に依存しない新たなメカニズムによって実行されるオルタナティブ・オートファジーを発見した。本研究では、この新規オートファジーの(1)簡便な指標タンパクを同定し、これを用いて(2)オルタナティブ・オートファジーの機能部位を同定し、微細構造解析を行うこと、さらに、(3)オルタナティブ・オートファジー特異的遺伝子欠損マウスを用いて、その機能を解析することを目的としている。 (1)オルタナティブ・オーファジーの簡便な指標タンパクの同定 オルタナティブ・オートファジーの多寡はライソソーム膜タンパク質Lamp2の細胞内局在で定量評価できる。しかしながら、この手法は偽陽性率が若干高くなるため、新たな分子マーカーを同定することは重要である。我々のグループでは、オルタナティブ・オートファジーにおいて特異的に働くタンパク質を複数個同定している。現在、これらの分子の中から、オルタナティブ・オートファジーのマーカータンパク質を選定するため、蛍光タンパク質を融合させ、細胞内、組織内、マウスへ導入している。 (2)オルタナティブ・オートファジーの機能部位の同定と解析 順次、候補のマーカー遺伝子を導入した細胞、組織、マウスを用いて、様々なオートファジー誘導刺激により亢進したオートファジーを蛍光で捉え、特異性を検討している。 (3)生体内における二つのオートファジーの組織特異性とその機能調査 現在までに、所属研究室において、このオルタナティブ・オートファジー関連分子の遺伝子欠損マウスを数系統作製し、(a)オルタナティブ・オートファジーが観察されないこと、(b)異常なミトコンドリアが蓄積していること、(c)さらに赤血球の分化異常が生じていることを見出した。このことから、赤血球最終分化におけるミトコンドリア除去に、オルタナティブ・オートファジーが重要な役割を果たしており、この変調は赤血球の生成異常に直結するものと考えられた。
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