2010 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換コオロギを用いた脚再生に関わる機能性RNAと標的遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
22770057
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 太郎 徳島大学, 産学官連携推進部, 講師 (80548834)
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Keywords | 機能性RNA / 組織再生 / Zinc Finger Nuclease / Ga14/UAS / トランスジェニックコオロギ |
Research Abstract |
損傷を受けた組織・器官・四肢の再生過程では、未分化細胞群が集合した再生芽を形成する。その再生芽では、未分化細胞の集積、増殖、維持、分化といった再生過程の重要なイベントが観察され、シグナル分子の素早い時空間的な発現調節が行われている。この急速な遺伝子発現調節機構に転写後調節としてmicroRNAが関与していると考え、コオロギ脚の再生をモデルとし、再生に関与するmiRNAとその標的遺伝子群の働きを明らかにし、新規の再生機構を解明することを目的に本研究を行った。発生、再生過程の組織由来のmiRNAライブラリーから候補miRNAを取得し、それらの発現時期、部位を調べた。その結果、現在までに数10種類のmiRNAとその発現様式が明らかとなった。それらmiRNAの標的遺伝子はまだ明らかとなっていない。さらにmiRNAの機能解析系として開発しているZinc Finger Nucleaseを用いた遺伝子ターゲッティング法がほぼ確立でき、いくつかの遺伝子においてノックアウト効果が観察された。また、トランスジェニックコオロギを用いたGa14/UAS系による遺伝子異所性発現に関して、コオロギ内在性プロモーターを用いることで高効率にその系が動くことが分かった。今後はこれらの技術を用いてmiRNAの機能解析を詳細に行う予定である。技術開発段階で見出されたトランスジェニックコオロギを用いたコオロギ胚形成に関する新規の知見は、Current Biology誌に掲載された。
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Research Products
(8 results)