2012 Fiscal Year Annual Research Report
母細胞壁の開裂と脱ぎ捨ての有無から解くトレボキシア藻の細胞連結と偽柔組織化
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22770059
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
山本 真紀 専修大学, 商学部, 准教授 (80361616)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 藻類 / トレボキシア藻 / 細胞分裂 / 細胞壁 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
トレボキシア藻綱のStichococcus bacillarisには一時的に糸状体を形成する株と形成しない株がある。S. bacillarisの属するカワノリクレードは柔組織様細胞塊や葉状体などの多細胞化を果たしたクレードである。S. bacillarisの糸状体形成機構を明らかにすることは、トレボキシア藻綱における細胞連結のしくみを知るための鍵になると期待される。 昨年度は、糸状体形成株と非形成株ではどちらも同様に細胞質分裂と母細胞壁の開裂が起こることを確認した。そこで、本年度は母細胞壁開裂後の娘細胞解離に着目し、糸状体形成株と非形成株の細胞壁成分の差異を調べた。糸状体形成株は分裂予定面にFluostain Iの蛍光が観察された。細胞質分裂後の分裂面にはマンノース特異的ConAの蛍光が観察された。一方、非形成株ではFluostain Iの蛍光は糸状体形成株と同様に観察されたが、ConAの特異的蛍光は観察されなかった。このことから、細胞質分裂面のマンノース局在の有無が糸状体形成に影響を及ぼしている可能性が示唆された。そこで、糸状体形成株をマンノシダーゼ処理したところ、ConAの特異的蛍光は消失したが、糸状体に変化はなかった。セルラーゼ処理の場合には、Fluostain Iの特異的蛍光は消失せず、糸状体に変化はなかった。しかし、マンノシダーゼとセルラーゼで同時に処理すると、ConAとFluostain Iの蛍光が消失し、糸状体の断片化と細胞のプロトプラスト化が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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