2011 Fiscal Year Annual Research Report
筋弾性タンパク質コネクチンによる太いフィラメントの長さ調節機構の解明
Project/Area Number |
22770065
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花島 章 千葉大学, 大学院・理学研究科, 特任研究員 (70572981)
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Keywords | コネクチン / タイチン / ミオシン / 横紋筋 / 分子定規 / 太いフィラメント / 弾性タンパク質 / 巨大タンパク質 |
Research Abstract |
横紋筋の太いフィラメントの長さはミオシンの自己集合により自動的に決まると考えられている。一方、横紋筋のZ線からM線までを1分子でつなぐ巨大タンパク質コネクチンが分子定規となり、太いフィラメントの長さを決めているのではないかという仮説も提唱されているが実証されていない。本研究は、コネクチンが分子定規として機能するとともに、ミオシンフィラメント末端を調節する未知のタンパク質の局在を決めることで、太いフィラメントの長さが決まるのではないかという考えの下、そのタンパク質の探索と同定を試みるものである。 本年度は、昨年度に心筋のcDNAライブラリーから酵母2-ハイブリッドスクリーニングで拾い、一次構造を決定した未知タンパク質のC末端に対する抗体を作製した。この抗体を用いて心筋のSDS全抽出物に対してウエスタンブロットを行ったところ、一次構造から予想される通り、分子量15万のバンドに反応が見られ、実際に心臓に存在することが明らかとなった。さらに、免疫蛍光染色を行った結果、このタンパク質は横紋筋の太いフィラメントの端付近に局在していることが明らかとなった。そこで、この未知タンパク質に結合するタンパク質の探索を心筋のcDNAライブラリーから酵母2-ハイブリットスクリーニング法で行った。現在、いくつかの結合候補を得て解析中である。また、未知タンパク質を3つの部位に分けた融合タンパク質を作製し、各種タンパク質との結合実験とその結合部位の同定も行っている途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
見つかる可能性が低いと考えていた未知のタンパク質を得ることができ、その一次構造を明らかにし、特異的に反応する抗体の作製に成功し、細胞内における局在も研究の目的通りであることを示せたことから、研究が計画通りに進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
未知タンパク質が心筋の中でどのような機能を持っているのかまだ明確でないので、結合タンパク質を明らかにすることで、その機能解析を行う予定である。さらに、このタンパク質の遺伝子は複数のスプライシングアイソフォームを作り出すので、各アイソフォームの違いについて明らかにすることも今後進めていこうと考えている。また、心筋以外の他の組織についてもはっきりとしたことが明らかになっていないため、今後の研究課題であると考えている。
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Research Products
(2 results)