2011 Fiscal Year Annual Research Report
レトロポゾンを指標とした鳥類スズメ目、猛禽類、ツル目の系統的起源の解明
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22770080
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西原 秀典 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (10450727)
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Keywords | ゲノム / 進化 / 鳥類 / 転移因子 / 系統 |
Research Abstract |
平成23年度は、レトロポゾンの挿入パターンを指標として鳥類の目レベルの系統関係、特にツル目の単系統性/多系統性と各科の系統的位置、および猛禽類の系統的起源の解明を目的として研究を進めてきた。ツル目に関しては、タンチョウ、ヒメクイナ、カグーのゲノムライブラリのスクリーニングにより得られた約300のCR1挿入遺伝子座に関して、CRIの上流・下流に設計したプライマーを利用したFlanking PCRをおこない、相同遺伝子座における種間でのCR1の有無に関して比較解析をおこなった。その結果、ツル目コアグループと名付けられたツル科、ツルモドキ科、ヒレアシ科、ラッパチョウ科、クイナ科の単系統性を示すCR1の挿入を5遺伝子座、またツル科とツルモドキ科の単系統性を示す遺伝子座を1つ発見した。さらに主要な鳥類を含む新顎上目の単系統性を示すCR1挿入遺伝子座も3つ得られた。 また猛禽類の系統的起源に関しては、コンドルのBAC配列データから得られた181遺伝子座のCR1のうち数十遺伝子座に関してFlanking PCRをおこなった。その結果、コンドル、ツル、カイツフリ、シギ、フラミンゴにCR1が挿入され、タカ、ハヤブサ、フクロウに挿入されていない遺伝子座が1つ発見された。この結果は猛禽類の起源が多系統であることを示す結果である。さらにコンドル、ツル、ペンギン、コウノトリ、タカ、ハヤブサ、ゼブラフィンチの単系統性を示す遺伝子座も発見された。両者のCR1挿入パターンは一見矛盾するように見えるが、この結果は新顎上目の祖先から短期間に複数の種分化が起こったことを意味している。今後これらの結果をまとめ、論文として発表したいと考えている。
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[Journal Article] A mammalian conserved element derived from SINE displays enhancer properties recapitulating Satb2 expression in early-born callosal projection neurons2011
Author(s)
Tashiro K, Teissier A, Kobayashi N, Nakanishi A, Sasaki T, Yan K, Tarabykin V, Vigier L, Sumiyama K, Hirakawa M, Nishihara H, Pierani A, Okada N
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Journal Title
PLoS One
Volume: 6
Pages: e28497
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] B chromosomes have a functional effect on female sex determination in Lake Victoria cichlid fishes2011
Author(s)
Yoshida K, Terai Y, Mizoiri S, Aibara M, Nishihara H, Watanabe M, Kuroiwa A, Hirai H, Hirai Y, Matsuda Y, Okada N
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Journal Title
PLoS Genetics
Volume: 7
Pages: e1002203
DOI
Peer Reviewed
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