2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本産イモリ属の多様性評価と個体群分類のための分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
22770087
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
富永 篤 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60452968)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | イモリ属 / 日本 / 遺伝的分化 / 種分化 / マイクロサテライト / mtDNA / 分子系統地理 |
Research Abstract |
本年度は、①遺伝解析のためのサンプリング、②ミトコンドリアDNAと核遺伝子領域の塩基配列解読、③マイクロサテライトマーカーの開発とそれを用いた遺伝解析、④ミトコンドリアDNAと核DNAの解析結果の論文執筆をおこなった。 まず、①については、中国地方に境界が見られる西日本系統と中部系統の境界周辺地域でのサンプリング、関東から中部に境界がある東日本系統と中部系統の境界周辺地域でのサンプリングを行った。各形態の形態学的な識別形質に基づき分布を整理した結果、詳細に分布の境界地域を割り出すことができた。②についても新たなサンプルの解析を行い、分布境界で両者の共存を確認したほか、分布の境界の詳細な地域を絞り込めた。核遺伝子座の解読についてもrag-1遺伝子の解読を順調に行うことができ、核遺伝子座で見た場合も東日本系統の独自性を確認することができた。その他の系統は核遺伝子では区分できなかった。この結果には、おそらく祖先多型の存在が影響していると考えている。また③のマイクロサテライトマーカーの開発は、次世代シーケンサーを用いた方法に切り替え、反復配列の含まれるDNA情報からプライマーを設計し、予備実験を繰り返すことで15以上の使用に耐えうるマーカーを開発することができた。それらを用いた中国地方の西日本系統と中部系統の分布境界での解析の結果、比較的狭い移行帯をはさんで、両系統の対立遺伝子頻度は急速に変わることを確認できた。④についても2つの学会、研究会で発表を行い、一部成果を論文で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Phylogeny and historical demography of Cynops pyrrhogaster (Amphibia: Urodela): taxonomic relationships and distributional changes associated with climatic oscillations2013
Author(s)
Tominaga, A., Matsui, M., Yoshikawa, N., Nishikawa, K., Hayashi, T., Misawa, Y., Tanabe, S., Ota, H.
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Journal Title
Molecular Phylogenetics and Evolution
Volume: 66
Pages: 654-667
DOI
Peer Reviewed
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