2011 Fiscal Year Annual Research Report
中性子結晶構造解析で見るフェレドキシン依存性ビリン還元酵素のプロトン化機構
Project/Area Number |
22770096
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
海野 昌喜 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 准教授 (10359549)
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Keywords | フィコシアノビリン / PcyA / 中性子結晶解析 / 水素原子 / 反応機構 / 大型結晶 / 宇宙実験 / 高分解能 |
Research Abstract |
フェレドキシン依存性ビリン還元酵素PcyAは二段階の二電子還元・ニプロトン化を位置特異的かつ順特異的に繰り返し、ヘム分解産物であるビリベルジンからフィコシアノビリンを生合成する酵素である。フィコシアノビリンは光合成や植物の光応答に使われる生命にとって大切な色素である。この生合成機構を水素原子レベルで理解するために、我々は、中性子結晶解析を目指した、大型結晶作成に取り組んできた。 しかし、平成23年3月11日の大震災により、研究用原子炉やJ-PARCはしばらく稼働できない状況に陥り、中性子回折実験は一度も行うことが出来なかった。 それと並行して、JAXAとの共同研究で宇宙実験を試みたり、緩衝液の最適化など結晶化条件の検討、および創晶の新規結晶化キット等を用いたTop-Seeded Solution Growth法を試みることが出来た。 現在のところ、最大2.3X12X0.7mm^3の大きな結晶を得ることに成功している。 また、質の良い結晶を用いて、放射光を使ったX線結晶構造解析にも着手している。最高分解能1.1Aの構造を得て、一部の水素原子も同定できた。ただし、活性部位近傍は水素原子は見えていない。
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Research Products
(6 results)