2010 Fiscal Year Annual Research Report
TrabidによるLys63結合型ポリユビキチン鎖の選択的切断の構造的基盤
Project/Area Number |
22770099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 裕介 東京大学, 放射光連携研究機構, 助教 (50568061)
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Keywords | X線結晶構造解析 / ユビキチン / NF-κB |
Research Abstract |
TRABIDによるK63結合型ポリUb鎖の認識および切断活性の機構を明らかにするため、TRABIDのOTUドメインの結晶構造解析を試みた。マウス、ゼブラフィッシュ、ショウジョウバエの3種の生物種からTRABIDの遺伝子をクローニングし、それぞれについて5種類程の発現系の構築を行った。その結果としてK63結合型ポリUb鎖特異的な切断活性を持つTRABIDのOTUドメインの大量調製に成功した。しかし、これらのサンプルについて結晶化の初期スクリーニングを行ったところ、結晶を得ることはできなかった。TRABIDのOTUドメイン単体では結晶化に適さない事がこの結果からわかったため、今後はK63結合型Ub2量体との複合体の結晶化を目指して結晶化を行う。 一方、TRABID以外にも特定のポリUb鎖を特異的に認識するタンパク質は存在するため、それらについても平行して研究を行い、その結果としてHOIL-1LのNZFと直鎖状Ub2量体の複合体の結晶構造解析に成功した。HOIL-1LはHOIPとともに直鎖状Ub鎖形成複合体(LUBAC)とよばれるユビキチンリガーゼ複合体を構成する。LUBACは直鎖状Ub鎖の形成を促進することでNF-κBシグナル伝達を活性化する。これまでHOIL-1LのNZFドメインはUb鎖の選択的認識は行わないと考えられていた。しかし、今回の研究からHOIL-1LのNZFドメインは直鎖状Ub鎖と特異的に結合する事を明らかとし、さらに結晶構造からそのメカニズムも解明した。現在、その成果をまとめ論文投稿にむけ準備中である。
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Research Products
(1 results)