2010 Fiscal Year Annual Research Report
多様なプレ配列に対しミトコンドリアTom20が獲得した認識機構の解明
Project/Area Number |
22770104
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
齊藤 貴士 九州大学, 生体防御医学研究所, 特任助教 (00432914)
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Keywords | 蛋白質 / 相互作用 / NMR / X線結晶構造解析 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
ミトコンドリアを構成する蛋白質の大部分は細胞質においてプレ配列がN末端に付加された前駆体蛋白質として合成される。プレ配列は15から70残基程度であり、多様な配列中に約5残基からなるコンセンサス(φχχφφ:φは疎水性残基、χは任意のアミノ酸残基)が明らかになっている。このプレ配列を認識するのがミトコンドリア外膜に存在するTom20蛋白質である。我々はTom20によるプレ配列の認識の広い特異性について、構造を基盤とした理解を目指している。しかしTom20とプレ配列の相互作用は弱く(Kd~μM)、既存の方法では複合体の詳細な構造情報を得ることが難しい。そこで、Tom20とプレ配列の間に形成させた分子間SS結合、あるいはプレ配列内に導入した分子内SS結合を利用して、複合体を安定化する試みを行ってきた。その結果、新たに1)これまでと異なる結晶系から得られた新規の分子内SS結合複合体、2)Tom20とプレ配列間のリンカーをこれまでより長くした分子間SS複合体について、X線結晶構造解析に成功し、新たに3つの新規複合体構造を得た。うち2つはこれまでに報告している複合体構造と同一の相互作用様式であり、固定化方法の違いによるバイアスが無視できることを示唆している。3つ目の複合体構造は新規の相互作用様式であり、動的平衡にある状態が少なくとも3種存在することを意味している。今後、これらの結晶スナップショット構造とNMR動的情報を組み合わせて、「Tom20によるプレ配列の動的認識モデル」の詳細なメカニズムの解析を目指す。
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Research Products
(1 results)