2010 Fiscal Year Annual Research Report
Akt修飾因子TTC3によるPI3K-Aktシグナル伝達制御機構の解明
Project/Area Number |
22770118
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水津 太 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (90431379)
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Keywords | ユビキチン / タンパク質分解 / Akt / ダウン症 / 21トリソミー / リン酸化 / セリンスレオニンキナーゼ / TTC3 |
Research Abstract |
TTC3(Tetratricopeptide Repeat Protein 3)は、ヒト21番染色体長腕上のダウン症責任遺伝子領域に存在する機能未知のタンパクであった。しかし本研究において、癌遺伝子産物AktをbaitとしたYeast Two Hybrid法により、TTC3が新規Akt結合因子として同定され、さらに活性化Aktを特異的に認識しポリユビキチン化するE3プロテインユビキチンリガーゼである事が、生化学的なアプローチによって明らかとなった。また、そのユビキチン化を介して、活性化Aktが、プロテアソーム複合体によって分解(不活性化)されることから、これまで不明であった核内の活性化Aktのdownregulationが、TTC3を介したユビキチン-プロテアソーム分解系によって制御される事が初めて明らかとなった。(Suizu et al. Developmental Cell 2009)今後、TTC3遺伝子のトランスジェニックマウス、およびノックアウトマウスの作製に着手し、in vitroで得られたTTC3の酵素学的機能の再現性や、ダウン症様の症候、表現型の発現に関した解析を進め、in vivoにおけるTTC3の生物機能解明を目指す。ダウン症は、心臓奇形、白血病、脳発達障害、short statueなどの様々な症候を呈する事から、遺伝子改変マウスの解析によって、これら症候に対する新規治療法の開発や、臨床応用可能な創薬実現に向けた新規アプローチの礎となる成果が期待できる。
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Research Products
(7 results)