2011 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質と小胞体膜蛋白質の協調による巨大分子分泌機構の解明
Project/Area Number |
22770120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 康太 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (60549632)
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Keywords | 分泌 / コラーゲン / 小胞体 / COPII / 癌 |
Research Abstract |
小胞体で合成された様々なタンパク質は、小胞体上の特定のドメインであるER exit siteよりCOPIIタンパク質群により被覆された小胞に積み込まれることによって小胞体を出芽し、最終的に細胞内の各オルガネラあるいは細胞外へと運ばれる。このERexitsiteにおけるCOPII被覆小胞の形成には低分子量Gタンパク質であるSarlの活性化が必要であることは以前より知られていた。一方でコラーゲン分子やキロミクロンなどはその形成する複合体が非常に巨大であり、通常のCOPII被覆小胞には入りきれないことから、その輸送メカニズムは注目されてきた。 研究代表者は、以前VII型コラーゲンの小胞体からの出芽に必須な因子としてER exit siteに局在する新規膜蛋白質であるTANGO1を同定した。また本若手研究(B)により、昨年度はTANG01の結合因子として新たにcTAGE5を見出し、cTAGE5/TANGO1複合体がER exitsiteからのVII型コラーゲンの輸送に必要であることを報告した。 本年度はcTAGE5/TANGO1複合体の性状をさらに解析するため、cTAGE5の結合因子を免疫沈降法およびマススペクトロメトリーを用いた解析により探索した。その結果、新たに低分子量Gタンパク質Sarlのグアニンヌクレオチド交換因子であるSec12がcTAGE5に結合することを見出した。 さらにリコンビナントタンパク質を用いた解析により、両者の結合は直接的であることが示唆された。また、TANG01はSec12と結合せず、cTAGE5とSec12の結合は特異的であることが示された。今後、低分子量Gタンパク質Sarlの活性化因子であるSec12とcTAGE5の結合が、COPIIタンパク質を介した巨大分子分泌機構においてどのような役割を担っているか解析していく予定である。
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Research Products
(2 results)