2012 Fiscal Year Annual Research Report
時計タンパク質の多彩なリン酸化リズムに支えられた概日時計の振動原理に迫る
Project/Area Number |
22770122
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉種 光 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70569920)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 概日時計 / サーカディアンリズム / 時計タンパク質 / リン酸化シグナリング / ChIP-Seq / RNA-Seq / 次世代シーケンサー |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、下記の成果を得た。 概日リズムは、生物が地球環境の24時間サイクルに適応して獲得した生理機能であり、概日リズムを生み出す生体計時システムは概日時計と呼ばれている。哺乳類の概日時計において、時計タンパク質であるCLOCKとBMAL1の複合体はDNAとの結合と解離を繰り返す。この約24時間周期のDNA結合リズムは分子発振に重要であるが、その制御機構は謎に包まれていた。申請者はこれまで、マウス肝臓を出発材料にしたChIP-Seq解析を行い、ゲノムワイドにCLOCK結合領域を同定した。さらに、RNA-Seq解析およびsmall-RNA-Seq解析を行い、リズミックに発現している転写産物を網羅的に決定した。これらSeqデータを比較解析した結果、1,126のリズミックな転写産物のうちCLOCKによる転写制御を直接受けるものは324と意外にも少なかった。そこで、BMAL1-KOマウスを用いて同様のSeq解析を行ったが、これらリズミックな転写産物のリズムはやはり消失していた。この結果は、これまで考えられていた転写フィードバックを中心とする考え方に加えて、CLOCK-BMAL1複合体からの間接的なリズム制御の重要性を示唆する。事実、CLOCKの直接的な標的遺伝子の中には多くの転写因子が含まれており、これら転写因子の機能リズムからの2次的な出力が判明した。また、RNA-Seqデータを詳細に解析した結果、時刻依存的な選択的スプライシングの存在を見出した。さらに、リズミックに発現しているmiRNAを同定し、その標的遺伝子が逆位相のリズムを示すことを示した。このように、多くの基礎データを切り口に概日時計の複雑な出力機構を明らかにすることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|