2010 Fiscal Year Annual Research Report
蛇毒酵素蛋白質に対する抗毒素蛋白質SSPの分子認識機構の解明
Project/Area Number |
22770134
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
塩井 成留実 (青木 成留実) 福岡大学, 理学部, 助教 (50510187)
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Keywords | 蛇毒酵素 / 蛇毒血清蛋白質 / 抗毒素蛋白質 / 生体防御機構 / 相互作用解析 / 分子認識機構 |
Research Abstract |
本研究では、SSPのCa^<2+>チャンネル結合性神経毒Triflinとアポトーシス誘導蛋白質Hv1に対する生理的阻害能、相互作用部位を調べることを目的とし、平成22年度の研究成果を以下に示す。 1)本研究対象蛋白質の調整 ・SSP-2とTriflinの調整 ハブ粗毒から天然Triflinの精製と平行して、無細胞蛋白質合成系を用いた^<15>N標識SSP-2とTriflinの合成を試みた。その結果、SSP-2は大部分が不溶性分画として得られた。一方、Triflinは可溶性分画に得ることができたが、SSP-2と結合能力を保持しているTriflinはそのうち約50%程度であった。NMR測定に可能な量を調整するため、合成条件を検討している。 ・Hv1の精製条件の確立 5段階のクロマトグラフィー(Sephacryl S-300、SP-Sepharose、ベンズアミジン-Sepharoseカラム、Sephacryl S-200uperdex 75)を行い、ハブ粗毒(3.0g)から高純度のHv1(1.7mg)を得た。 2)SSP-2の相互作用領域の限定 SSP-2はハブ血清中のHSFとTriflinと同じCRISPファミリーに属するserotriflinと結合する。SSP-2のアミノ基、Trp残基、His残基を化学修飾し、ゲルろ過HPLCを用いてHSFとserotriflinの結合解析を行った。その結果、HSFの結合には、Trp残基が、一方、serotriflinの結合には、いずれかのアミノ基が関与している可能性が示唆された。 3)Hv1の活性 Hv1がカスパーゼ3の活性化を引き起こすことで、血管内被細胞にアポトーシスを誘導することを明らかにした。また、SSP-1,HSF単独では、Hv1を阻害しないが、SSP-1/HSF複合体は非拮抗的にHv1を阻害することが分かった。
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