2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソーム阻害におけるUnstructured領域の役割
Project/Area Number |
22770137
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊野部 智由 独立行政法人理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, 基礎科学特別研究員 (50568855)
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Keywords | プロテアソーム / 神経変性疾患 / ハンチントン病 / 蛋白質分解 / 天然変性領域 |
Research Abstract |
蛋白質において定まった立体構造を形成しないフラフラとした領域(Unstructured領域)が近年注目されているが、その詳細な役割はまだわかっていない。ところが最近、Unstructured領域と蛋白質分解装置プロテアソームとの密接な関係が示唆されている。特にプロテアソームによる基質認識にはポリユビキチン鎖に加えて、Unstructured領域が必要でことが明らかにされている。これを発展させ、我々はUnstructured領域の位置や配置、アミノ酸配列は蛋白質の運命を司り、プロテアソームが分解する蛋白質を選ぶにあたり、重要な役割を担っていることを明らかにした。 このUnsturcture領域は神経変性疾患におけるプロテアソーム阻害にも関わっていると予測される。神経変性疾患を引き起こす凝集性蛋白質などのミスフォールド蛋白質はUnstructured領域を持っている。そこで私は凝集性蛋白質のUnstructured領域がプロテアソームに作用し、分解活性を阻害すると考えた。まず凝集性蛋白質によるプロテアソームの阻害を見積もるために、ポリグルタミンが異常伸長したハンチンチンエクソンI(htt)と、酵母由来のプロテアソームの関係を調べる実験を行った。この実験よりプロテアソームの凝集体抑制効果とhttによるプロテアソームの阻害効果は、httがユビキチン化されているときにのみ効率的に起こることがわかった。しかしながらユビキチン非存在下でもプロテアソームはhttの限定分解をして、性質の異なる凝集体形成を促進することを明らかにした。次年度はさらにその詳細を明らかにするための実験を行う。
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Research Products
(4 results)