2010 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡法によるアクチンフィラメント重合核形成機構の解明
Project/Area Number |
22770145
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
成田 哲博 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (30360613)
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Keywords | 電子顕微鏡 / アクチン / 重合核形成 / 細胞骨格 / Arp2/3複合体 / トレッドミリング |
Research Abstract |
Arp2/3複合体研究に関しては、細胞内におけるArp2/3複合体の分布および平均構造を得るために、オーストリアのVic Smallの研究室と共同研究を開始した。Vic Smallらは細胞膜に界面活性剤で穴をあけて、染色剤と細胞質を置換し、乾燥することによって細胞の負染色試料を作成、それを電子線トモグラフィーすることによって、細胞の葉状仮足部分の三次元トモグラフを構築した。私達は、それを解析するための画像解析法の構築を進め、結果、得られたトモグラフを用いてArp2/3複合体の細胞内構造平均化ができるようになった。現在、細胞内Arp2/3複合体平均構造決定を進めており、プレリミナルな三次元構造を得ている。同時に、この解析を通じて細胞内のArp2/3複合体がどこにどの方向を向いて存在しているかも明らかになってきている。細胞内におけるアクチン結合蛋白質構造解析はいままで行われた例がなく、本研究結果は、細胞内アクチンフィラメントネットワーク制御システムを理解するための重要な一歩になるはずである。 フォルミンファミリーについては、いままでフォルミンはB端に結合することはわかっていても、他の場所に結合しないというデータは存在していなかった。フォルミンファミリーのひとつであるCdc12のアクチンフィラメント上の結合位置を、Hisタグ結合ゴールドクラスターと電子顕微鏡法で観察、フォルミンはフィラメント端にのみ結合し、フィラメント側面には結合しないことが明らかになった。現在他のいくつかのフォルミンファミリーについても同様の実験を行っており、結果が得られ次第論文にする。
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