2010 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液中におけるチトクロムc酸化酵素の時間分解赤外分光法
Project/Area Number |
22770154
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山口 悟 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助教 (20347529)
|
Keywords | 赤外分光法 / マイクロチップ / プロトンポンプ / 生体エネルギー変換 / 構造生物学 / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
22年度は赤外白色レーザーを光源とし、回転セルをもちいた時間分解赤外分光光度計の試作な設計を行った。反応開始に用いる励起光と反応検出に用いる赤外白色レーザーのタイミングを電気的に調節した。さらに積算効率、S/N比を向上させるアルゴリズムを作成した。アミド領域、カルボキシル領域、CO領域における最適光路長、試料濃度を決定した。一連の実験における全ての手順、方法を見直し最適化を行った。その結果、チトクロムc酸化酵素が一酸化炭素結合型CcOのCO光乖離後におけるCOの再結合によって、蛋白質骨格の高次構造変化がns~μsの時間領域でおこる事を時間分解赤外分光法でとらえる事に成功した。CO再結合過程は酵素が本来酸素と結合する反応を模倣していると考えられている。この結果はX線結晶構造解析の結果と照らし合わせることにより、主鎖の水素結合の架け替えが起きている事を示唆している。
|