2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体内銅イオン輸送を制御する蛋白質間分子認識メカニズム
Project/Area Number |
22770162
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古川 良明 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (40415287)
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Keywords | 銅シャペロン蛋白質 / SOD1 / ジスルフィド結合 / 蛋白質間分子認識 |
Research Abstract |
本課題の目的は、SOD1/CCS蛋白質に着目することで、生体内における銅イオン輸送を制御する蛋白質問分子認識メカニズムを解明することである。この目的を達成するために、平成23年度ではCCSの発現・精製を行い、SOD1との相互作用をゲル濾過クロマトグラフィーにより検討を行った。CCSは三つのドメインからなる蛋白質で、N末端側より2番目に位置するドメイン(CCS-DII)がSOD1との相互作用に重要であることが示唆されている。そこでまず、大腸菌内でのCCS-DIIの発現系を構築し、可溶性蛋白質として回収できる培養条件を見出した。さらに、Ni^<2+>アフィニティークロマトグラフィーを用いることで、CCS-DIIを精製することができた。一方で、SOD1を大腸菌内に過剰発現させると、不溶性の封入体を形成し、可溶性蛋白質としての回収が困難であった。しかし、SOD1の構造安定化に寄与するとされる亜鉛イオンを添加し、さらに低温下での培養を行うことで、SOD1の封入体化を防ぎ可溶性蛋白質として精製できることを見出した。精製したCCS-DIIおよびSOD1を用いて、両蛋白質問で生じうる会合過程を、ゲル濾過クロマトグラフィーと電気泳動法を組み合わせることで検討した。その結果、SOD1とCCS-DIIが互いに会合あるいは解離する各々の溶液条件を見出すことができ、それらを基にして、蛋白質問での分子認識を制御する新たなメカニズムを検討している。
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Research Products
(12 results)