2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤木 亮次 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (40534516)
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Keywords | 転写制御 / クロマチン / 糖修飾 |
Research Abstract |
本研究では、生化学的な精製手法を用いた核内糖転移酵素OGT複合体の同定から、核内糖(GlcNAc)修飾シグナルの生物学的意義を明らかにすることを目的としている。まず、FLAGタグ融合OGT安定発現THP-1細胞株を取得し、抗FLAG抗体アフィニティー精製によってOGT複合体の単離を行なった。これら結合因子群は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析計(MALDI-TOF-MS)を用いたペプチドフィンガープリント法により、それぞれの同定を行なった。その結果、全48因子の同定に成功した。これらの中には、クロマチンの修飾に関わる因子が数多く含まれていた。 一方、申請者はFLAGタグ融合OGT安定発現HL60細胞株も取得した。このHL60細胞はヒト急性骨髄性白血病(AML)由来の細胞株であるが、ビタミンAやDなどの刺激により、それぞれ穎粒球や単球へと分化することが知られている。そこで、それぞれ分化過程におけるOGT複合体結合因子の変化について、抗FLAG抗体アフィニティー精製と定量質量分析を駆使して解析を行った。その傾向として、初期の分化段階ではHCF-1などの転写に関係するものを多く結合しており、分化過程においてはセントロメア関連因子など染色体構造を維持する因子などと多く結合する傾向などが得られている。これらの結果を詳細に精査していくことにより、今後、分化にともなう核内糖修飾シグナルの制御が分子レベルで明らかになると期待される。
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[Journal Article] GlcNAcylation of histone H2B facilitates its monoubiquitination2011
Author(s)
Fujiki R., Hashiba W., Sekine H., Yokoyama A., Chikanishi T., Ito S., Imai Y., Kim J., He HH., Igarashi K., Kanno J., Ohtake F., Kitagawa H., Roeder RG., Brown M., Kato S.
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Journal Title
Nature
Volume: 480
Pages: 557-560
Peer Reviewed
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