2010 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞の雄性分化を制御するRNA分子機構ーNanos2蛋白質を中心としてー
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22770169
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 敦 横浜国立大学, 学際プロジェクト研究センター, 特任教員(助教) (60467058)
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Keywords | 生殖細胞 / RNA |
Research Abstract |
NANOS2タンパク質はマウス雄性生殖細胞に特異的に発現し、その雄性化に重要な役割を果たすRNA結合タンパク質である。その分子機構としては、CCR4-NOT deadenylation complexと結合して特定のmRNAの脱アデニル化を誘導すると考えられている。しかしながら、NANOS2タンパク質とCCR4-NOT deadenylation complexの結合の生化学的な分子機構や、その生理的意義については未だに不明である。そこで、本研究においては、まず、NANOS2タンパク質とCCR4-NOT deadenylation complexの結合様式の解析を行った。 培養細胞への強制発現と免疫沈降法により、NANOS2とCCR4-NOT deadenylation complexの結合に必要なNANOS2のアミノ酸配列を探索した。その結果、N末10アミノ酸が必須であることが明らかになった。また、全てのCCR4-NOT deadenylation complexの構成因子を大腸菌で発現させ、同様に発現させたNANOS2タンパク質との結合解析を行った。その結果、CNOT1がNANOS2と直接結合することが明らかになった。 次に、両者の結合の生理的意義を解析するために、NANOS2のN末10アミノ酸を欠いたcDNAをNanos2エンハンサーにつないだトランスジェニックマウスを作製し、Nanos2ノックアウトに導入した。その結果、CCR4-NOT deadenylation complexと結合できないNANOS2タンパク質はNanos2ノックアウトマウスの表現型を全くレスキューできないことが明らかになった。以上のことから、NANOS2とCCR4-NOT deadenylation complexの結合がマウス生殖細胞の雄性化に重要な役割を果たすことがはっきりと示された。
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Research Products
(1 results)