2010 Fiscal Year Annual Research Report
9ー1ー1/TopBP1相互作用を基盤とするDNA損傷応答初期過程の解析
Project/Area Number |
22770172
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大橋 英治 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (90378951)
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Keywords | DNA損傷・修復 / チェックポイント / タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
Rad9-Hus1-Rad1(9-1-1)複合体は、TopBP1と結合して様々なDNA損傷に応答する代表的なチェックポイント経路であるATR-Chk1経路の活性化に関与する。我々は、ユビキタスなキナーゼCK2がRad9のC末端に存在する341、387番目のセリンの両方をリン酸化すること、またこの両方のリン酸化に依存した9-1-1/TopBP1間の相互作用がATR-Chk1経路の活性化に必要であることを明らかにし、本年度Genes to Cells誌に報告した(Takeishi et al 2010)。我々は、さらにこのリン酸化やそれに伴う9-1-1/TopBP1間の相互作用と、9-1-1とTopBP1のDNA損傷認識における役割との関係を調べるために、精製タンパク質を用いたin vitroのDNA結合実験とヒト培養細胞を用いた局所的紫外線照射後の細胞内におけるこれらのタンパク質の局在解析を行った。精製した9-1-1はRad9のC末端を欠失させるとプライマー/テンプレート型のDNA、特に5'末端が境界に存在するDNAに特異的に結合することが分かった。これに対し、精製TopBP1は一本鎖、二本鎖どちらのDNAにも結合した。またヒト培養細胞内ではRad9やTopBP1はそれぞれ紫外線照射部位へ局在したが、それぞれの局在は他方のノックダウンでは影響されなかった。このことはこれらの損傷部位への局在が独立に行われることを示唆する。TopBP1と結合しないRad9を過剰発現する株では紫外線やアルキル化剤に対して高感受性を示すことから、9-1-1とTopBP1の結合は損傷部位へこれらが集積した後の過程でのシグナル伝達に重要な役割を果たすと考えられる。
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Research Products
(10 results)