2010 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌の複製開始因子DnaAのマルチ蛋白質結合領域を介した開始制御システムの解析
Project/Area Number |
22770173
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
毛谷村 賢司 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (70464386)
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Keywords | 染色体DNA複製 / 複製開始制御 / 大腸菌 |
Research Abstract |
【研究背景と目的】染色体DNA複製は、細胞周期の適切な時期に一度だけ起こり、正確に二倍化するよう制御されている。この一回性の制御は、主に複製開始段階で起こり、大腸菌では開始因子DnaAによる開始点上への集合および二重鎖DNAの開裂と、続く複製ヘリカーゼの装着段階で機能する。開始制御には、1:DnaA結合因子DiaAによる開始点上へのDnaA集合促進とヘリカーゼ装着抑制、2:DnaAの不活性化、3:DnaAの転写抑制が関与する。研究代表者は、これらの異なる制御系がDnaAタンパク質のN末端の共通領域を介して発動することに着目した。そこで、本研究では各制御系の分子機構解析を基本骨格として、DnaAのN末端を介した相互的制御システムを明らかにすることを目的とする。 【研究成果】DiaAをDnaAから解離させ、ヘリカーゼの装着を促進する因子を大腸菌タンパク質粗画分から探索した。 DiaA解離活性を指標に精製を進め、最終画分について質量分析を行った結果、約20種類の候補因子を同定した。現在、これらの候補因子について生化学的・遺伝学的解析を行っている。 DnaAは、DnaA不活性化因子により不活性化される。この機構に重要なDnaAのN末端アミノ酸残基を同定するため、構造解析をもとに変異タンパク質を数種作製・精製した。また、DnaAのC末端にも不活性化因子との相互作用部位が予想されたため、同様に解析することにした。これまでに、それぞれ2種のアミノ酸残基が不活性化に重要であることが示唆された。今後、これらの変異体について、不活性化因子との相互作用解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)