2010 Fiscal Year Annual Research Report
内在性小分子esiRNA機能にかかわる核内外輸送機構の役割
Project/Area Number |
22770174
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三好 啓太 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20423395)
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Keywords | 発現制御 / RNAサイレンシング / RNAi / Dicer / Aronaute / 細胞内輸送 |
Research Abstract |
これまでにesiRNA生合成必須因子Dcr2含む複合体について、培養細胞から精製に成功した。本複合体には、核膜孔因子や核内外輸送因子が含まれていた。これらのDcr2相互作用因子が、esiRNA生合成に関与するかを、各因子ノックダウン細胞を用いて解析を行った。ノザン解析による成熟型esiRNA量やqRT-PCR法によるTEの発現量の変化について解析を行ったところ、若干の影響が観察された。現在、より詳細な解析を進めている。 一方で、esiRNA生合成に新規蛋白質LoqsPDの関与が報告された。そこで、LoqsPDが我々の精製したDcr2免疫沈降物に含まれていることを調べたところ、相互作用していた。また、Dcr2はRNAi機構の必須因子R2D2と相互作用する。我々は、Dcr2-LoqsPD-R2D2複合体がesiRNA前駆体を特異的に認識し切断することを、本複合体の精製および試験管内再構築系により証明した(Miyoshi et al. RNA 2010)。さらに、Dcr2-LoqsPD-R2D2複合体が、細胞質で顆粒状構造体を形成することを明らかにした。解析の結果、これは新規細胞質顆粒体であり、その形成はR2D2依存的であった。r2d2欠失細胞では、esiRNAのAGO2への導入(esiRNA活性複合体の形成)に欠損が観察された。これらより、本顆粒体はesiRNAのAGO2への導入に必須な場であると仮説を立てた。これまでに、LoqsPDおよびR2D2に対する抗モノクローナル抗体を作製した。現在、これら抗体を用いた免疫沈降物の解析から、新規相互作用因子の同定による新規顆粒体構成因子の同定およびesiRNA前駆体/esiRNA中間体の同定を試みている。これらにより、esiRNA成熟過程を分子レベルで明らかにできると考えている。
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