2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規Rab32/38結合分子によるメラノソーム形成・成熟機構の解明
Project/Area Number |
22770183
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大林 典彦 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (40421979)
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Keywords | Rab / メラノソーム / 膜輸送 / チロシナーゼ / Tyrp1 / エフェクター |
Research Abstract |
前年度では、VarpとRab32/38間における結合能を消失する点変異体をVarp、Rab32/38双方で得ることに成功していた。引き続き、メラニン合成酵素Tyrp1輸送に対するVarpとRab32/38複合体の生理的機能解析を試みた。Rabには内因性GTPアーゼ活性が存在する。既に得ているRab32(V92A)変異体、Rab38(V78A)変異体(:Varpと結合できない点変異体)について、このGTPアーゼ活性が亢進している可能性が考えられた。そこで、Rab32/38変異体についてGTPアーゼ活性をin vitroで測定したところ、野生型Rab32/38との差が認められなかった。従って、Rab32/38点変異によるGTPアーゼ活性上昇の可能性は棄却することができ、Rab32/38変異体はエフェクターであるVarpとの結合性に異常をきたすものと結論づけた。次に、Rab32/38変異体とVarp変異体の色素細胞における局在を検討した。野生型Rab32/38と野生型VarpはTyrp1陽性小胞上に局在した。野生型Rab32/38と変異型Varpを発現させると、Rab32/38はTyrp1陽性小胞に局在するものの、変異型VarpはTyrp1陽性小胞に局在できなかった。一方、変異体Rab32/38はメラノソームに局在するものの、野生型VarpがTyrp1陽性小胞にリクルートされなかった。これらの知見と前年度の成果を併せて考えると、Tyrp1陽性小胞においてRab32/38とVarpが複合体を形成することが、Tyrp1のメラノソームへの輸送に必須である考えられた。さらに、Varpの二つのアンキリンリピートに挟まれた領域にVAMP7が結合し、Varp-VAMP7間の結合はTyrp1輸送に必須であるとの知見を得ることができ、今後のメラニン合成酵素輸送とSNAREの関連性について研究の起点となりうるものと期待される。
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[Journal Article] The recycling endosome protein Rab17 regulates melanocytic filopodia formation and melanosome trafficking2011
Author(s)
Beaumont, K.A., Hamilton, H.A., Moores, M.T., Brown, D.L., Ohbayashi, N., Cairncross, O., Cook, A.L., Smith, A.G., Misaki, R., Fukuda, M., Taguchi, T., Sturm, R.A., Stow, J.L.
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Journal Title
Traffic
Volume: 12
Pages: 627-643
DOI
Peer Reviewed
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