2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞運動やエンドサイトーシスに伴うアクチンメッシュワークのGMFによる制御
Project/Area Number |
22770184
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中野 賢太郎 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50302815)
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Keywords | 細胞骨格 / アクチン / エンドサイトーシス / 分裂酵母 / メンブレントラフィック / Rho / Rab / 細胞性粘菌 |
Research Abstract |
効率的な細胞運動やエンドサイトーシスには、細胞膜近傍での枝分かれしたアクチンのメッシュワーク構造の構築とその後方でのダイナミックな脱会合が重要である。その動態の鍵を握るのは、アクチン重合因子Arp2/3複合体(以下、Arp2/3)であり、その活性化機構は良く解明されているが、不活性化とアクチン繊維からの解離の制御機序については不明な点が多い。私が中心になって同定した分裂酵母のグリア細胞形質転換因子(GMF)様蛋白質は、Arp2/3を抑制し、アクチン構造体の脱会合に働く可能性が示唆された。そこで本研究では、GMFの詳細な反応プロセスと、細胞内でのダイナミクス、そして細胞性粘菌などの移動細胞におけるGMFの役割の解明に取組むことにした。 今年度は、まず分裂酵母Gmf1のアラニンスキャニング変異解析を行った。その結果、分子表面にある特定の電荷をもった残基が細胞内でのGmf1によるArp2/3への作用に必須であることを明らかにした。現在、この変異型タンパク質のArp2/3に対する生化学を調べている。それと平行して、Arp2/3とGMFの複合体の形状について電顕観察を進めている。次に、分裂酵母のGmf1のアクチンパッチへの局在化の精緻な時空間的情報の取得を行うため、GFPと異なる蛍光波長のタンパク質を利用して、アクチンあるいはArp2/3とGmf1の同時観察ができる細胞株を樹立した。光学系の準備と調整がほぼ完了したので、それらの細胞内動態を計測する。細胞移動については、細胞性粘菌のGMF様遺伝子の破壊細胞と過剰発現株の細胞運動様式を野生型のものと比較して、調べつつある。
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Research Products
(3 results)