2011 Fiscal Year Annual Research Report
インシュレーターを介した包括的クロマチンバウンダリー制御機構の解明
Project/Area Number |
22770186
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 絵里子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任研究員 (30534507)
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Keywords | クロマチンバウンダリー / インシュレーター / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
生物の発生・分化の過程では、局所的クロマチン構造変換が一過的な特定遺伝子群の発現変動を制御する。このような局所的クロマチン構造変換を制御するDNA配列の一つに、クロマチンドメインの境界(クロマチンバウンダリー)を規定するインシュレーターが挙げられる。これまでに、インシュレーターを介したクロマチンバウンダリー調節因子が報告されているが、クロマチンバウンダリー制御機構全体を理解するには不十分である。そこで、本研究では、クロマチンバウンダリー制御機構解明のため、ショウジョウバエ分子遺伝学的手法により新規クロマチンバウンダリー調節因子の取得を試みた。平成23年度は、新規クロマチンバウンダリー制御因子の網羅的スクリーニングの結果を受け、候補因子について解析を進めた。候補因子のうち、DEAD box helicase domainを持つ新規因子(cg4152)は既知インシュレーター結合因子(BEAF32)依存的にインシュレーターにリクルートされること、cg4152のノックダウンにより、インシュレーター上でのRNA polymerase II(RNAP II)のリン酸化状態が変化することが分かった。得られた結果から、cg4152はBEAF32を介して、インシュレーター領域でのRNAP IIのリン酸化の状態を制御し、クロマチンバウンダリーを調節することが示唆された。インシュレーター領域でのRNAPII占有の重要性は既知であるが、その分子メカニズムは不明であるため、本研究の価値は高いと考える。ほかに、DNA結合能を有するZn finger proteinを2因子(cg4936,cgl2942)見出した。これら因子が直接的にインシュレーターに結合する新規インシュレーター結合因子である可能性が考えられた。今後、この2因子の解析を通して、新規クロマチンバウンダリー制御メカニズムの解明につながると期待される。
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[Journal Article] Epigenetic silencing of core histone genes by HERS in drosophila2012
Author(s)
Ito S, Fujiyama-Nakamura S, Kimura S, Lim J, Kamoshida Y, Shiozaki-Sato Y, Sawatsubashi S, Suzuki E, Tanabe M, Ueda T, Murata T, Kato H, Ohtake F, Fujiki R, Miki T, Kouzmenko A, Takeyama K, Kato S
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Journal Title
Molecular cell
Volume: vol.45
Pages: 494-504
DOI
Peer Reviewed
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