2011 Fiscal Year Annual Research Report
SOD1-Derlin-1結合を介した新規ストレス認識機構の解明
Project/Area Number |
22770187
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門脇 寿枝 東京大学, 大学院・薬学研究科, 特任研究員 (40568200)
|
Keywords | タンパク質 / 小胞体ストレス / Derlin-1 / SOD1 |
Research Abstract |
血清飢餓条件下で細胞を培養すると、野生型SODIがDerlin-1と強く結合する。すなわち、何らかの細胞質内環境の変化(細胞質ストレス)が野性型SOD1の構造を変化させ、変異型SOD1と同様にDerlin-1に直接結合し、ERADの機能阻害を介して小胞体ストレスを誘導している可能性があることが考えられる。細胞質ストレスが、野生型SOD1を介して小胞体ストレスに変換されることで最適なストレス応答を誘導する機構が存在するのではないかという着想に至り、下記の研究を実施した。 変異型SOD1のDarlin-1に対する結合領域は12アミノ酸まで絞られている。しかし、SOD1側の結合部位に関しては不明である。そこでまず、(1)SOD1のDerlin-1への結合部位や結合阻害部位を同定する。現在までに、野生型SOD1からC末端領域にあるElectrostaticchamelloop領域を欠失させるとDerlin-1への結合能を獲得する知見を得ており、この領域は結合阻害部位の一つと考えている。そこで我々は、この領域に構造変化を引き起こすであろうpHやイオン濃度変化によって野生型SODIがDerlin-1への結合能を獲得するかどうかを検討した。また、酸化ストレスなど野生型SOD1に大きな構造変化を引き起こすようなストレス存在化での結合の変化も検討し、(2)野生型SODlとDerlin-1が結合しERADの阻害を介して小胞体ストレスを誘導する細胞質ストレスを探索した。さらに、(3)明らかになった細胞質ストレス存在化における野生型SOD1-Derlin-1結合の生理的役割を明らかにした。また、(4)SODIの1結合領域である12アミノ酸を含んだDerlin-1ペプチドの細胞内投与によって、SODI-Derlin-1結合を介した小胞体ストレスが緩解されるかを検討し、将来における小胞体ストレス阻害剤開発のための予備的知見を得た。
|