2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770196
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
谷口 喜一郎 学習院大学, 理学部, 助教 (20554174)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞二核化 / 中心紡錘体 / Mud / NuMA / ショウジョウバエ / 細胞分裂 |
Research Abstract |
【平成23年度までの研究実績】 ショウジョウバエを用いて、附属腺における“二核化”と通常の“細胞分裂”を比較し、その違いを調べた。その結果、細胞分裂時において発達する中心紡錘体・収縮環が、二核化時には十分に発達しないために、細胞質分裂が抑えられることが明らかになった。次に、二核化時に中心紡錘体形成を抑制する遺伝子を探索し、ショウジョウバエNuMAホモログであるMudを同定することができた。平成24年度での計画では、Mudによる二核化制御機構について解析をおこなった。 【平成24年度の研究実績】 Mudは二核化時において、中心紡錘体形成を負に制御すると予想できる。しかしながら、微小管重合の抑制や微小管束化の抑制に、Mudが関与するという報告はこれまでにない。そこで、Mudが構造的に異なるスプライシングバリアント(Mud-long, Mud-short)をコードする点に注目した。これまで、Mud-longに関する多くの解析がおこなわれており、紡錘体極性の制御を行うことが知られている。一方で、Mud-shortの機能は未知である。本解析の結果、二核化時おいて中心紡錘体の発達を抑制する機能をもつのは、Mud-shortであることが明らかになった。さらに、Mud-shortは強制発現を行うことで、分裂細胞において、二核化を誘導することが明らかになった。以上の結果から、Mud-shortは細胞分裂と二核化の転換において中心的な機能を持つことが明らかになった。Mud遺伝子は無脊椎動物から脊椎動物まで保存されていることが知られている。また、アミノ酸配列の比較から、今回解析を行ったMud-shortが、哺乳動物においても存在することが分かった。本研究により明らかになった、新たな細胞分裂制御機構は、ショウジョウバエのみならず哺乳動物においても保存されている可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)