2012 Fiscal Year Annual Research Report
動原体のストレッチングによって促進されるM期チェックポイントの解除機構
Project/Area Number |
22770200
|
Research Institution | 公益財団法人がん研究会 |
Principal Investigator |
内田 和彦 公益財団法人がん研究会, がん研究所 実験病理部, 研究員 (40380555)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 細胞周期 / 紡錘体チェックポイント |
Research Abstract |
まず動原体ストレッチング(動原体と紡錘体微小管とが結合しているとき動原体が伸長や収縮を繰り返す現象)の発生を制御する機構について検討した。これまでの研究で、姉妹動原体の間にあるAurora Bキナーゼという分子が動原体から離れて分布したとき、動原体と微小管との結合は安定化し、それによって微小管で生じた力はより動原体に伝わりやすくなり、そして動原体の伸長が生じる可能性が示唆された。本年度は動原体ストレッチングとAurora Bのダイナミクスとの関連についてさらに深く調べた。薬剤処理によってAurora Bが姉妹動原体の間に分布できなくなると動原体ストレッチングの頻度は減少していた。また生細胞を用いた実験により動原体がストレッチングするとき、Aurora Bの分布が変化していることを見出した。これらの結果は動原体ストレッチングの発生には姉妹動原体の間にAurora Bが分布し、なおかつそれが動原体から離れることが重要であることを示している。 前年度の研究によりAurora Bはダイナミックに分布を変えていることがわかっているが、その意義は明らかでなかった。当該年度の研究によりこのAuroraBのダイナミックな分布変化は、動原体ストレッチングの発生を促進することを明らかにした。このストレッチングは後期への移行を促進することから、Aurora Bの分布変化は後期開始を促すはたらきをもつと考えられる。 また動原体ストレッチングによる紡錘体チェックポイント解除機構を明らかにするために、薬剤を添加すると動原体ストレッチングが抑えられる系を開発した。この系は動原体の変形に関与すると予想される分子を加工することでできている。この系を開発できたことにより、微小管に影響を与えず(動原体と微小管との結合がなくなることによって生じる影響を除外できる)に動原体ストレッチングを制御できるようになった。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|