2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工セントロメアDNAを利用した、新規クロマチン制御因子の探索
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22770203
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
大関 淳一郎 財団法人かずさDNA研究所, 細胞工学研究室, 研究員 (30514088)
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Keywords | セントロメア / クロマチン / 人工染色体 / アルフォイドDNA |
Research Abstract |
22年度は、HaloタグとSNAPタグを生体内で融合させる、細胞膜透過性のリガンド(融合リガンド)の合成を行った。この融合リガンドを用いて、TetOアルフォイドDNA上へ結合させたTetR-SNAP蛋白質上に、Halo-mcherry蛋白質の局在が誘導されるかを蛍光顕微鏡で確認したところ、融合リガンドの培地への添加後15~30分程度で、Halo-mcherry蛋白質のTetOアルフォイドDNA上への集合が見られた。そこで、かずさHaloタグ融合cDNAライブラリーから、いくつかの候補蛋白質を発現させて同様の効果が得られるか検証したところ、多くの蛋白質でTetOアルフォイドDNA上へのHaloタグ融合蛋白質の集合誘導が見られた。このことから、この融合リガンドと既存のHaloタグ融合クローンを用いて、クロマチン制御因子の探索を行える可能性が開けた。なお、これと並行して、TetRに直接候補蛋白質を融合させた構築でも先行して探索を進めており、今年度はセントロメアの活性化、不活性化に関わる因子を5つ同定した。これらの因子間のつながりを調べてゆくことで、セントロメアの活性調節機構の一端が見えて来ると期待している。 また、セントロメア特異的ピストンH3であるCENP-Aを指標に、クロマチン構造の変化を蛍光顕微鏡観察により定量する系の構築も進めている。現状では、セントロメア活性化、不活性化因子を結合誘導した際に、CENP-AのTetOアルフォイドDNA上への集合量が、宿主セントロメアと比較して、有為に2倍から10倍程度増減することを確認している。さらに、CENP-Aと同様に、ヘテロクロマチンの指標としてHP1、hPC2の集合量を定量する系の構築も進めている。これらにより、TetOアルフォイドDNA上のクロマチン構造の変化を定量的に評価できる系が確立されつつある。
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Research Products
(3 results)