2010 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の体幹部に前後軸の特異性をもたらす分子機構の解析
Project/Area Number |
22770208
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
川村 哲規 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (10466691)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 発生 / パターニング / 突然変異体 / 軸形成 / スクリーニング |
Research Abstract |
脊椎動物のからだには、肋骨や四肢等にみられるように前後軸に沿った特徴的な形態が存在する。このような前後軸の位置による形態の違いは、発生過程において確立される特異性によってもたらされ、ショウジョウバエの遺伝学的解析を端尾とした研究から、Hox遺伝子群がこの過程において中心的な役割を果たすことが知られている。しかしながら、ショウジョウバエおよび脊椎動物におけるHox遺伝子群がこのようなパターンを形成し前後軸に沿ったアイデンティティーを決めていることはこれまでの多くの研究結果から支持されているが、脊椎動物の胚発生においては、この秩序だった発現パターンがどのようにして形成されるのかに関しては殆ど分かっていない。本研究では、ゼブラフィッシュ胚を用いた突然変異体スクリーニングにより、Hox遺伝子の発現異常を示す変異体を単離することを第一の目標としている。これまでに行ってきた突然変異体スクリーニングの結果、初期発生において異常を呈する変異体を少なくとも13種類同定した。その中において興味深い表現形を示す突然変異体のひとつについて、責任遺伝子を明らかにするために、ポジショナルクローニングを行った。その結果、責任遺伝子の近傍(約1cM)に存在するSSLPマーカーを同定した。現在、その責任遺伝子を明らかにするためにより近傍のSSLPマーカーの同定を行うことと並行して、突然変異体の表現形の解析をさらに進めている。また、従来から用いられている変異体スクリーニングについて、より効率的に突然変異体が分離できるように、現在改良を行っている。
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[Journal Article] Ripply3, a Tbx1 repressor, is required for development of pharyngeal apparatus and its derivatives in mice2011
Author(s)
Okubo, T., Kawamura, A., Takahashi, J., Yagi, H., Morishima, M., Matsuoka, R., Takada S
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Journal Title
Development
Volume: 138
Pages: 339-348
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