2010 Fiscal Year Annual Research Report
生殖幹細胞tudor-piwi複合体を介するsmall RNAーエピゲノム制御
Project/Area Number |
22770210
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中馬 新一郎 京都大学, 再生医科学研究所, 助教 (20378889)
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Keywords | 生殖細胞 / ゲノム / RNA / 発生 / トランスポ |
Research Abstract |
生殖細胞のゲノム情報の安定な維持、継承は個体発生および種の継続に重要である。研究代表者はマウスtudor関連Tdrd遺伝子がpiwi遺伝子と協調して雄生殖幹細胞のレトロトランスポゾンを抑制しゲノム保護に働く重要な経路を明らかにした。本研究では生殖細胞tudor-piwi複合体の解析を進め、同RNP複合体の特性を明らかにすると共に、piRNA経路とエピゲノム制御の分子接点を解明する事を目的とする。本年度は合成RNA基質を用いてMIWI蛋白質複合体のスライサー活性の解析を行い、piRNAプロセシングにおけるRNA相補性のルールを調べた。またMiwiスライサー変異を持つマウス系統で半数体精子細胞の分化異常により雄性不妊となる事、piRNAの生合成が低下する事、レトロトランスポゾンの発現が精子細胞において増加する事を明らかにした。この半数体におけるレトロトランスポゾンの発現上昇はMili-Tdrd1、Miwi2-Tdrd9変異体では減数分裂期の広範な細胞死により観察出来ない。またTDRD蛋白質の複合体解析を進め、TDRD9がMIWI2に加えて核内のエピゲノム制御因子と相互作用する事を見出した。更にTdrd遺伝子ファミリーに属する新規遺伝子がpiRNA経路に重要で有る事、および従来piRNA経路における機能が報告されていない新たな遺伝子が生殖細胞のレトロトランスポゾン抑制に関与する事を見出した。
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Research Products
(3 results)