2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770215
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白鳥 秀卓 大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (90362590)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 発生・分化 / 左右軸 / 器官形成 / Pitx2 |
Research Abstract |
左右非対称な器官の形成機構について、以下の成果を挙げた。 1.心臓流出路の形成機構について 細胞増殖を制御するリプレッサーR1は、発現は左右対称であるが、その変異マウスは心臓流出路を含む内臓形態の左右性の異常を示した。R1とPitx2の二重変異マウスでは、心臓流出路の異常に加えて、R1やPitx2単独変異マウスでは見られない「胃が右、肝臓の分葉構造が左右逆転」といった表現型が観察された。Pitx2変異マウスは様々な左右の形態異常を示すが、Pitx2が発現しているにも関わらず胃、肝臓など異常を示さない器官もあり、その理由は不明であった。これらの結果は、心臓流出路を含む内臓の左右性形成において、R1がPitx2と協調的あるいはPitx2の代償的に働くことを示唆しており、左右非対称な器官形成機構を解明する大きな手がかりを得ることができたと考えている。 2.肢芽におけるPitx2の左側特異的な発現について Pitx2は、左肢芽の背尾側に偏った発現をしている。この左肢芽の背尾側の細胞において、野性型に比べてPitx2変異マウスでは細胞増殖が盛んに起こっていることを発見した。しかしながら、野性型とPitx2変異マウスの四肢の形態の違いは検出できなかった。Pitx2変異マウスの増殖が盛んな細胞の周囲を調べてみると、細胞増殖が低下していることが分かり、この代償によってPitx2変異マウスと野性型の形態の違いが小さくなっている可能性が示唆された。さらに、これらの現象は四肢の骨や筋肉などの組織ができ始める胎生12日目以降に起こることも明らかにした。これらの発見は、マウスの四肢の左右非対称性を解明するための大きな一歩になったと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)