2010 Fiscal Year Annual Research Report
周期的な変動を示すマウス精子幹細胞の実体およびその維持機構の解明
Project/Area Number |
22770226
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
北舘 祐 基礎生物学研究所, 生殖細胞研究部門, 助教 (10455214)
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Keywords | 生殖細胞 / 幹細胞 |
Research Abstract |
多くの動物において、雄の一生を通して精子が作られ続けるためには、精子を供給する大元となる精子幹細胞が必要です。しかしながら、精子幹細胞の実体やその維持機構は、ヒトを含む哺乳動物の精巣で、ほとんど明らかになっていません。本研究は、精子幹細胞および、精子幹細胞を制御している微小環境、ニッチの実体を細胞・分子レベルで明らかにすることを目標とします。私たちは精子幹細胞およびニッチで特異的に発現する遺伝子を同定するために、第一に、精子幹細胞/ニッチが偏在する精巣内の血管付近の細胞群をレーザーマイクロダイセクション法により採取し、第二に、これらを用いてマイクロアレイ解析を行い、特異的発現を示す遺伝子を解析・同定しました。第三に、これら遺伝子について、in situハイブリダイゼーション解析を行い、各遺伝子の精巣内での空間的な発現パターンを調べました。これまでに、300遺伝子についてin situハイブリダイゼーション解析を行い、精巣内の血管付近で特異的に発現する遺伝子を16同定しました。その後、血管付近で特異的に発現する16種の遺伝子がそれぞれ、精巣内のどの細胞で発現しているかを調べました。このとき、その細胞の分布だけでなく、その細胞と精子幹細胞との空間的な位置関係をも明らかにするために、各遺伝子の発現パターンを3次元的に解明することを試みました。現在までに、同定された16種のうち、PDGFRαとCXCL12が精細管表面の一部の細胞でそれぞれ特異的に発現することが明らかとなりました。この結果は、精細管表面の性質は一様であるというこれまでの考えを改めるものです。今後、これらを発現する細胞と精子幹細胞との位置関係を詳細に解析していくとともに、精子幹細胞およびニッチの実体やその相互作用の解明を進めていきます。
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Research Products
(3 results)