2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトとチンパンジーの比較トランスクリプトーム・メチローム研究
Project/Area Number |
22770240
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
郷 康広 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (50377123)
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Keywords | 霊長類 / ゲノム / チンパンジー / 遺伝子発現 / トランスクリプトーム / エピジェネティクス |
Research Abstract |
チンパンジーの父親-母親-息子の白血球細胞から調整したRNAサンプルを用いて、次世代シーケンサー(Illumina社、Genome Analyzer)による配列解読を行い、3個体から3.2~4.8Gbの配列を取得した。得られた配列データをチンパンジーの概要ゲノム配列にマッピング解析を行い、ゲノムワイドな遺伝子発現量の定量化および転写単位のSNP(-塩基多型)(以下、転写SNPと呼ぶ)の検出を行った。その結果、転写SNPを数万個検出し、そのゲノム上の位置を調べたところ、タンパク質翻訳領域より非翻訳領域により多くの多型を検出した。親のSNP情報と子供におけるアリル単位での遺伝子転写産物量を組み合わせることにより、どちらの親由来のアリルがどの程度発現しているかを調べる事ができる。この方法をさらに発展させると遺伝子発現制御におけるシス・トランス因子の相対的な役割を調べる事ができ、さらにインプリンティング遺伝子候補の発見も可能となる。詳細に検討した結果、遺伝子発現制御にはシス因子の影響が大きいとする従来の説とは異なり、トランス因子も遺伝子発現制御に大きく貢献していることを明らかにした。この結果の妥当性、普遍性、特殊性を明らかにするために、ヒトの親子トリオのセルラインから調整したRNAサンプルを用いて、チンパンジーと同様に次世代シーケンサー(Illumina社、HiSeq)による配列解読を行い、3個体から12.6~13.6Gbの配列を取得した。これらの配列データを用いてチンパンジー親子トリオで得た結果の評価を行っている。
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Research Products
(13 results)