2012 Fiscal Year Annual Research Report
大臼歯形状にもとづくアジア・アフリカのヒトと類人猿の進化に関する分析的研究
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22770242
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
河野 礼子 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究主幹 (30356266)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ギガントピテクス / オランウータン / 大臼歯 / エナメル質 / 類人猿 / 中国 / 進化 / マイクロCT |
Research Abstract |
本研究では、アジア・アフリカ地域を中心として、化石人類および化石類人猿について、大臼歯歯冠三次元形態を詳細に比較分析し、各種の特徴を明らかにすることを目的としている。それによって同地域の化石人類・類人猿各種間の系統関係について大臼歯形状の観点からどのようなことが言えるのかを吟味するとともに、大臼歯形状の各特長の適応的意義の解釈を深めることを目指すものである。 平成24年度も引き続き中国産化石類人猿のデータ取得を進めた。平成24年5月、12月には中国・北京の中国科学院古脊椎与古人類研究所を訪問し、広西チワン族自治区崇左地域から発掘されたギガントピテクス化石の観察と研究相談をおこなった。また平成24年7月には同研究所の張穎奇博士が来日し、小臼歯標本についてマイクロCT撮影を実施し、データの分析方針についても意見交換をした。これらのギガントピテクス化石研究については、平成24年5月の北京における国際シンポジウムおよび国内学会において成果の一部を発表した。 このほか平成24年9月にはインドネシア・ジャカルタを訪問し、フローレス原人の歯牙資料の観察・分析を実施し、平成25年2月にはミャンマー古生物調査に参加し、類人猿化石産出の可能性についても情報収集した。 本研究の主目的は大臼歯3次元形状の機能適応的な意義をより詳細に吟味することであるが、歯の形成過程などについても理解を深める必要があり、歯牙資料に見られる形成痕に関する先行研究などについての文献調査を平成24年度も継続し、その成果を平成25年3月に学会発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに遂行しているため
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は本研究課題の最終年度となるため、中国産化石類人猿のデータの分析をさらに進め、全体のまとめをする。国内の研究協力者も交えて研究結果について協議し、データの分析結果をまとめて、学会において発表する。また年度内に論文作成して投稿する。
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Research Products
(7 results)