2010 Fiscal Year Annual Research Report
昼食と夕食の“摂取量”と“摂取時間”のバランスが朝食の糖質の消化吸収に及ぼす影響
Project/Area Number |
22770247
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
土田 幸恵 畿央大学, 幼児教育科, 講師 (80353001)
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Keywords | 摂取量 / 摂取時間 / 糖質 / 消化吸収 / 全身的協関 / 呼吸商 / 血糖 |
Research Abstract |
本研究は昼、夕食の"摂取量"や"摂取時間"のバランスの違いが翌日の朝食の消化管通過時間・糖質の消化吸収効率に与える影響を検討することにより日本人の"消化管の生理的性質"に適応し全身的協関を示す"食"のリズムを明らかにすることを目的とした。22年度は以下の計画により夕食の時刻の違いによる翌日の朝食の糖質消化吸収効率への影響を調べた。 被験者は女子学生15名であり、1名に対して計3日間の測定を行った。1回目と2回目の測定の前日に、実験者が指定した食事(朝・昼・夕食)を指定時刻に摂取してもらった。但し、1回目と2回目では夕食時刻を変えた(18時または23時)。測定日は朝7時40分に実験室に入室してもらい、8時に空腹状態での(1)呼気中水素ガス測定、(2)簡易型自己血糖測定器による血糖値測定、(3)呼吸商測定を行った後、試験朝食を摂取し、(1)(2)については以後30分ごとに、(3)は1時間ごとに同様の測定を行った。(2)について朝食後3時間値までとした。夕食時刻の2条件の実施順序は被験者毎に変えた。3回目の測定は試験朝食をラクトスクロースに置き換え(1)の指標のみ同様の測定を行った。本研究で用いる規定食(朝食・昼食・夕食)は調理による誤差や衛生面を配慮し、冷凍食品を中心とした食事とした。内容は食事摂取基準に沿って1850kcal(朝:昼:夕=1:1:1)とした。 測定結果、夕食時刻の違いによって、糖質の非吸収効率や血糖変化および呼吸商に違いは見られなかった。今回のような条件、つまり若年女性に対し食事摂取基準に沿った朝:昼:夕=1:1:1(1食600kcal程度)で一定の睡眠時間を確保すれば、翌日の糖質の消化吸収効率や呼吸商、血糖変化にほとんど影響はないということが示唆された。今後は食事の量の配分や対象年齢を変えた同様の検討が必要である。
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