2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22780003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山崎 将紀 神戸大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (00432550)
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Keywords | 「山田錦」 / 「コシヒカリ」 / 酒米 / 心白 / 晩生 / 戻し交雑集団 / マーカー選抜 / QTL(量的形質遺伝子座) |
Research Abstract |
現在の日本の水稲育種は近年育成された品種同士の交雑に由来するものが多く、表現形質や遺伝的多様性の狭い範囲で留まっている。水稲品種「出田錦」は酒米として現在も栽培され、日本酒造りに重要な心白を有し、大粒で、晩生であり、現代品種には見られなくなった特徴を数多く保有している。本研究は「山田錦」の特性である心白、晩生に着目し、「コシヒカリ」を遺伝的背景とし、「山田錦」ゲノムを網羅する一連の染色体断片を導入した染色体断片置換系統群を作出するのと同時に、今年度も引き続き、心白を中心した分析を行った。 「コシヒカリ」と「山田錦」との交雑F_1に、「コシヒカリ」を反復親に使った連続戻し交雑を行ってきた。目的の心白関連QTL領域(計4領域)が「山田錦」ホモに固定した個体をDNAマーカーで選抜した。単独のQTLが「山田錦」ホモになった個体だけでなく、複数のQTLがホモ化した個体も見いだした。昨年度(平成22年度)の栽培期間中は少雨かつ猛暑となったため、心白発現にとっては非常に厳しい環境であったが、今年度(平成23年度)は例年と同じような環境で心白発現は安定していた。BC_2F_2個体のDNAマーカー情報を保有する自殖BC_2F_3集団を今年度使用し、心白発現を調査した。昨年度に比べると心白発現が安定して出現していた集団が多く、今年度の表現形質は良好と考えられた。しかしながら、DNAマーカー情報と表現形質との間に矛盾が生じる個体が複数確認出来たので、その原因を調査している。一方、「コシヒカリ」より明らかに晩生や早生の個体を見いだしたので、現在原因QTLの分析を進めている。 染色体断片置換系統群を作出のため、BC_3F_3集団ならびにBC_4F_2集団へ世代を進めた。平成24年度にこの集団を圃場に展開し、形質評価とDNAマーカー選抜を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成22年度の猛暑の影響のため、平成22年度と平成23年度の表現形質の結果が大きく異なる集団が多かったため、その確認作業に追われ、QTLの同定には至っていない。平成24年度の表現形質を注意深くかつ大量に収集し、遺伝解析を行って行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
心白発現調査について、その形質評価の改善を図る。具体的には画像解析を利用して、大量の検体の心白発現を測定出来るようにする。
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