2012 Fiscal Year Annual Research Report
イネの品種×水環境相互作用の解明による収量ポテンシャルの向上
Project/Area Number |
22780013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桂 圭佑 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20432338)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 畑栽培稲作 / 収量ポテンシャル / 節水栽培 / 品種×環境相互作用 |
Research Abstract |
灌漑稲作はその栽培に他の主要作物の2~3倍の水資源が投入されており,そのため灌漑稲作においては収量性を維持しながら,節水を行っていくことが強く求められている.これまでの研究代表者らの研究により,畑栽培稲作では,適切な水管理を行うことで窒素吸収が湛水栽培条件よりも旺盛になり,それによって極めて高い収量を達成しうることが明らかになっている.これまでの報告から,養水分条件が十分な畑条件下と湛水条件下ではイネの収量に有意な品種×水環境相互作用が見られていることから,本研究ではその要因を解明することを目的とした.材料としてはササニシキとハバタキの染色体部分置換系統群を用いて,畑条件と湛水条件で栽培した.ハバタキでは湛水条件下と比較して畑条件下で籾数が増加し,それによって収量も増加していたのに対し,ササニシキは両条件下での収量に有意な差異は認められなかった.イネの穎花数は出穂約2週間前までの窒素吸収と生殖成長期後半の物質生産量によって支配されることが明らかになっているが,ハバタキが畑条件下で多収になったのは,畑条件で旺盛になる窒素吸収が,吸収窒素あたりの穎花生産効率の高いハバタキの穎花数を増加させたことによると推察された.また,今回用いた染色体部分置換系統群の多くは,一穂籾数がササニシキよりも増加しており,吸収窒素あたりの穎花生産効率も増加していることが予想される.多くの染色体部分置換系統群において,畑条件下で湛水条件下よりも穎花数を増加しており,その結果,収量も増加していたため,吸収窒素あたりの穎花生産効率の高い品種の利用は畑栽培での多収に有効であることが示唆された.一方で,多くの染色体部分置換系統群で,粒重が湛水条件下よりも畑条件下で小さくなっており,さらなる増収のためには,ソース能の増強が必要であることも示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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