2010 Fiscal Year Annual Research Report
食用ハスを利用した球根植物の球根形成制御機構の解明
Project/Area Number |
22780026
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 順一郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 学術研究員 (60452744)
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Keywords | 概日リズム / 球根形成 / 食用ハス / 日長 |
Research Abstract |
本研究は,日長で球根形成が制御できる食用ハスを利用して,日長(光周期)と植物ホルモンとの関係を分子レベルで明らかにし,国内外,どの研究者も明らかにできていない球根形成制御機構を解明することを目的にしている.初めに,日中の球根の肥大時期を特定するために,球根の生育を容易に観察できるハスの養液栽培の確立を目指した.養液は,Yoshida nutrient solutionを使用し,それぞれ,1,1/5,1/25,1/125倍に薄めた養液内で5週間(長日条件下)栽培した.その結果,1および1/5倍に薄めた養液で栽培すると葉が枯死する個体が観察されたが,1/25および1/125倍に薄めた養液では,そのような個体が見られなかった.次に,分子レベルで球根形成が概日リズムで制御されているか調べるために,これまで,多くの植物で光周期を制御していることが知られているCO(CONSTANS)およびFT(FLOWERING LOCUST)遺伝子の単離・同定を行った.Degenerate primerを用いてPCRを行った結果,目的とするサイズのフラグメントが検出された.そして,そのフラグメントの塩基配列を決定したところ,これまで知られているCO遺伝子と相同性が高い遺伝子が一つ,FT遺伝子と相同性が高い遺伝子が二つ単離された.次に,長日条件下および短日条件下で葉のCO遺伝子の発現量を解析した.球根が形成される短日条件下において,COの発現量の増減はほとんど観察されなかったのに対し,球根が形成されない長日条件下では,明期開始12時間後にCO遺伝子の発現量が高くなり,その後,低下した.このことから,CO遺伝子は球根形成を抑制するために働いている可能性が示唆され,その遺伝子は明期開始12時間後に発現することがわかった.
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