2012 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質添加による渋柿の脱渋メカニズムの解明と食品への応用
Project/Area Number |
22780031
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
鶴永 陽子 島根大学, 教育学部, 准教授 (60517051)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | カキタンニン / 渋味 / タンパク質素材 / 多糖類素材 / 可溶性タンニン / 添加量 |
Research Abstract |
島根県,鳥取県などで栽培されているカキ‘西条’は,糖度が高く市場性が高い品種であるが,軟化が早いという欠点があるため,2割~3割程度が廃棄されている.渋柿の渋抜きにはドライアイス法などが用いられているが,脱渋後の加熱処理で渋戻り(復渋)する問題があることから加工品への利用が限定されている.また,渋柿には,強い抗酸化作用,抗アレルギー性などの機能性が認められるが,脱渋することでそれらの機能性が消失することが明らかにされている.そこで,本研究では,カキタンニンにタンパク質を添加する渋抜き法を用い,新しいタイプの渋柿加工品を開発することを目的とした. H24年度は,まず,カキタンニンと複合体を形成しやすいタンパク質素材や多糖類素材を検索した.タンパク質素材もしくは多糖類素材とカキタンニン複合体を80%メタノールで摩砕抽出し,可溶性タンニン含量を測定した結果,コラーゲン系,ペクチン,デキストリン系の数値が著しく低く,柿タンニンとの結合能力が高いことがわかった.次に,タンパク質素材もしくは多糖類素材の添加量の違いが複合体形成に及ぼす影響について検討した.コラーゲン系のサンプルは,添加量が増えるに従い可溶性タンニン含量が微増する傾向が見られた.逆に,中力粉,豆乳,レシチンは添加量の増加に伴い,値が激減した.デキストリン,ペクチン,カゼイン,ホエイプロテインは添加量と可溶性タンニンの間に一定の傾向は認められなかった.官能評価(渋味)の結果では,コラーゲン系,デキストリン,ペクチン,ホエイプロテインについてはほとんど渋みを感じなかった.無調整豆乳に関しては,5%の添加では渋みを感じなかった.以上のことから,カキタンニンに添加するタンパク質や多糖類素材によって,適する添加量,添加量の幅が著しく異なることが示され,加工品製造の際にはそれらを十分に考慮する必要があることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)